茨城県に本社移転39企業 9年連続で転入超過 24年 転出、10社台に減少
帝国データバンク水戸支店が4日までに発表した2024年の本社移転動向調査によると、県外から茨城県内に本社を移した転入企業は39社、県外への転出は18社にとどまり、9年連続の「転入超過」だった。首都圏の1都3県からの移転が約8割を占めた。転入は前年比3社減、転出は同6社減だった。
転入元は東京都、千葉県がともに13社で最も多く、次いで埼玉県が3社で続いた。転出先は、東京都が最多の5社、栃木県が4社、千葉、埼玉、福島の3県がいずれも2社で続いた。
転出企業が10社台まで減ったのは11年以来13年ぶり。同支店は「ウェブ会議を使ったビジネススタイルやリモートワークが普及してきたことに加え、オフィス賃料を削減するなど、物価高も背景にあるとみられる」と分析する。
業種別で見ると、茨城県への転入はサービスが9社で最も多く、建設と小売がともに8社、卸売と運輸・通信がともに5社、その他が3社、製造が1社だった。IT、コンサルタントやネット販売などの業種が上位を占めた。
転入企業の売り上げ規模別では、1億円未満が18社で最多。次いで1億~10億円未満が16社、10億~100億円未満が4社、100億円以上が1社だった。転出企業では、1億~10億円未満が9社で最多。1億円未満が5社、10億~100億円未満が3社、100億円以上が1社だった。
調査が始まった1990年からの35年で、転入企業は1639社に上り、転出企業は795社。同支店は今後について、企業が本社を置く上で都心からの利便性や平地が多いことなどのメリットに触れ、「首都圏からの転入は続くとみている」と展望している。