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《いばらき戦後80年》海軍入隊「学生」に焦点 阿見で15日から特別展 遺品や写真30点 茨城

真継不二夫さんが撮影した海軍予備学生(日本カメラ博物館蔵)
真継不二夫さんが撮影した海軍予備学生(日本カメラ博物館蔵)


太平洋戦争の末期、旧制大学、高校などの高等教育機関から海軍に入隊した「予備学生」に焦点を当てた特別展「ペンを剣にかえて 海軍予備学生の軌跡」が、15日から茨城県阿見町廻戸の予科練平和記念館で始まる。戦中から戦後にかけて活動した写真家、真継不二夫さん(1903~84年)の作品30点を戦没者の遺品とともに紹介する。会期は6月15日まで。

予備学生は海軍指揮官を養成しようと、1934年に始まった。当初は高等教育機関から志願者を募り、1年程度の訓練後に少尉に任官させていた。43年に戦況悪化を受けて徴兵猶予が停止されると、20歳以上の学生も徴兵検査が義務付けられた。

若者たちは土浦海軍航空隊などで基礎訓練を積んだ後、部下を率いて戦地に赴き、特攻作戦などで命を落とした。制度創設から90年が過ぎ、学生から軍人へと転身を余儀なくされた若者の存在を改めて知ってもらおうと企画された。

真継さんは京都府出身。独学で写真を学び、写真雑誌の懸賞や美術展で多くの賞を獲得。芸術写真のフリーカメラマンとして活動したが、42年に海軍特別報道班員となり、海軍予備学生や海兵団を撮影した。ほかに筑波海軍航空隊記念館(同県笠間市)の所蔵品で、特攻出撃した若者の手紙や婚約者に宛てた遺書、遺言が書き込まれたパイロットのマフラーなども展示する。

15日と5月17日に担当学芸員がギャラリートークを行う。時間は午前10時半と午後2時の2回。開館は午前9時から午後5時(入館は同4時半まで)。月曜休館。



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