冷凍おにぎり開発へ 鹿島高 伊藤さん 本村さん 松井さん 企業に提案 地産食材かき揚げ入り 茨城

「ご当地!絶品うまいもん甲子園」で準優勝に輝き、茨城県立鹿島高(同県鹿嶋市城山)を今春卒業した3人が、同大会パートナーの食品卸企業「日本アクセス」(本社・東京都品川区)のバックアップを受けながら、茨城の魅力を込めた冷凍食品の開発に取り組んでいる。「忙しい時でも栄養を取れるように」とかき揚げ入りのおにぎりのメニュー案を作り、2月下旬には企業の担当者との試食会を実施。商品化への最終的な詰めは企業に委ねているものの、考案メニューが市販される夏ごろを心待ちにしている。
3人は伊藤海七さん(18)、本村美紅さん(18)、松井心琴さん(18)。2024年11月に決勝大会が開かれた同大会の決勝大会で準優勝に当たる農産局長賞を受賞した。
冷凍食品のメニュー開発を持ちかけている日本アクセスは、同大会で審査員を出したり、決勝会場を提供したりするほか、準優勝校3校に同社と進める「商品開発の権利」を贈った。
開発のテーマは、地元の食材を活用した片手で手軽に食べられる冷凍食品。企業との会議を経て、かき揚げ丼風のおにぎりに方向性を決めた。
茨城らしさを取り入れるため、かき揚げには特産のサツマイモを使用し、納豆のたれで味を付けた。ニンジンとゴボウのきんぴらも入れ、シャキシャキとした歯応えを感じられるよう工夫した。
試食会で3人は甘じょっぱいと感じながらも、伊藤さんは「食感がよくて想像よりもおいしかった」と自己評価。納豆との組み合わせも検討し、粒の大きさが異なる納豆4種類を食べ比べた。
商品化されることについて、本村さんは「考えた物が料理になってすごいなと思った」と改めて驚きと感慨を抱く。松井さんは「どれを作っておいしくしていくか(企業の担当者と話し合って)試行錯誤していきたい」と今後に意欲を見せる。3人は引き続き企業とメニューを練りつつ、商品名とパッケージデザインを考えていく。
日本アクセスの担当者は「商品化を通して、食べる楽しみと作る喜びを実感してほしい」と3人を見守る。
大会で優勝したのは青森県立弘前実業高校。準優勝となり商品開発を進めているのが鹿島高のほか、沖縄県立首里高、和歌山県立神島高。