警察庁競技会 茨城県警、サイバー捜査初V 職員能力アップ手応え

各都道府県警の選抜チームがサイバー捜査や情報技術解析に関する知識を競う、サイバーコンテスト(警察庁主催)のサイバー捜査部門で、茨城県警が初優勝した。6日、同庁でメンバー3人が警察庁長官表彰を受けた。県警は民間と協力した研修や教養を通じ、職員のサイバー対処能力の向上を図っている。サイバー企画課は「飛び抜けた能力を持つ人に走り続けてもらえれば、県警全体の力も上がる」と手応えを得ている。
大会は2月4~5日にオンラインで開催。情報セキュリティー分野の専門知識や技術を使って隠された答えを見つけ出し、制限時間内で合計得点を競う「CTF」形式で行われた。
出場したのはサイバー捜査課の竹沢有希巡査部長(32)、溝井由樹子巡査長(33)、関東管区警察局・県警情報技術解析課の中村啓太郎技官(24)の3人。
竹沢巡査部長はインターネット上の公開情報を使いデータを収集分析する「オシント」、溝井巡査長はサーバーへの侵入、中村技官はネットワーク上で送受信されるデータ量やその流れを読む「ネットワークトラフィック」に関する問題を、それぞれ担当した。
他チームは特捜官やベテランも出場した。竹沢巡査部長は昨年5月の配属後に先輩からの指導で知識を付け、「優勝までたどり着けたのは驚き」。職員研修の講師を務めることもあり、今後は「解析手法や知識を捜査員と共有していく」と意欲を示す。
同課の2人は事件捜査に関するコンピューターやスマートフォンの解析業務を担っている。溝井巡査長は前身のサイバー犯罪対策課に配属されてからCTFの訓練に注力し、週末も時間を割く。中村技官は解析のほか、事業者向けに身代金要求型コンピューターウイルス(ランサムウエア)の被害防止について啓発活動を行っている。
県警はサイバー捜査の技術を駆使した捜査ができる職員をレベル分けしている。本年度、人材育成係を持つサイバー企画課が発足したことでオンラインでの研修などが活発となり、一定以上の捜査に従事できる職員が前年度比1.6倍に増加するなど底上げが進んでいる。