茨城空港国内線 最多70万人 24年 観光や商用、高水準

茨城空港(茨城県小美玉市)の2024年の国内線旅客(利用)数は70万人を超え、過去最多となった。コロナ禍後に活発化した人の流れが継続し、観光やビジネス目的の利用が高い水準で推移。国際線を含めた全旅客数は76万人で、19年の82万2000人に続き過去2番目に多かった。県が茨城新聞の取材に対し、明らかにした。同空港は11日、開港15周年を迎える。
24年の旅客数は、国土交通省東京航空局が公表している速報値。茨城空港国内線(神戸、札幌、福岡、那覇)の合計は70万8587人となり、これまで最多だった23年の69万7188人(確定値)を約1万1000人上回った。
月別では、秋の行楽シーズンに当たる10月が最も多い6万7707人。次いで夏休みや帰省客の利用がある8月が6万6574人だった。3、7、9、11月も6万人を超え、このほかも1月当たり5万2000人以上と定期便4路線で安定的な利用があった。
3月30日から福岡便が1日2往復に増便されることから、県は一層の旅客数の増加を期待。九州の旅行会社を対象としたファムツアー(視察旅行)、現地旅行博への参加、県内イベントでのアピールなどで利用促進を目指す。
一方、国際線は5万1836人が利用した。月別で最多は12月の6662人。連続チャーターの韓国・清州(チョンジュ)便の運航が始まり、県が重点市場とする同国でのPR効果により、ゴルフ客や観光客が目立った。
台湾路線は約7カ月間にわたり運航された連続チャーター高雄便と、定期線の台北便がともに好調。4~7月の4カ月間は毎月5千人以上が搭乗した。ただ国際線全体では中国・上海便が12月までの運休などが影響し、過去最多だった19年の16万8943人と比べて3割程度にとどまった。
国内線、国際線を合わせた旅客数は76万423人。前年比3.0%増となる一方、最多だった19年の82万2203人との比較では92.5%となった。
県空港対策課は「国内線は堅調な利用があった。国際線は利用が徐々に戻ってきている」と評価。その上で、今後も利用促進と増便・路線拡大の好循環を目指し「空港と茨城県の発展に寄与していく」とした。
茨城空港は航空自衛隊百里基地との共用空港として10年3月11日に開港。定期便は現在、国内線4路線と国際線2路線が運航されている。