北茨城、あんこうサミット 全国各地、自慢の料理 地震被災の珠洲市も参加

全国各地のあんこう料理が楽しめる食の祭典「第9回全国あんこうサミット」が8日、茨城県北茨城市関南町仁井田の市漁業歴史資料館「よう・そろー」付近で開かれた。2年ぶりの開催で、県内外の出店者が鍋やどぶ汁、唐揚げ、ラーメンなど自慢のあんこう料理を提供。能登半島地震で被災した石川県珠洲市からも出店し、来場者でにぎわった。
サミットは東日本大震災からの復興とアンコウの魅力発信を目的に、2014年に始まった。昨年は、第2回から参加していた珠洲市が能登半島地震で甚大な被害を受け、北茨城市が支援に注力しようと中止。市職員が現地を訪れ、避難所であんこう鍋の炊き出しをした。
この日は過去最多となる75団体が出店し、うち29団体があんこう料理を提供。ステージでは約14キロのアンコウのつるし切りが披露された。
珠洲市からは「NPO法人能登すずなり」が参加し、磯の香りが感じられる能登の魚醬(ぎょしょう)「いしる」と海藻アカモクを使ったあんこう鍋を販売。来場者からは「体に気を付けて頑張って」「おいしい」などと声がかけられていた。
ブースには被災直後の市内の写真も掲示した。同NPOの田崎正彦理事(79)は「『こんな時だから…』という意見もあったが、応援してもらった恩がある。お礼も含めて出店した」と打ち明ける。
サミット実行委員会長の豊田稔市長は「珠洲市の復興が一日も早く進んでほしい。北茨城市も14年前に震災からみんなの力で復興した。珠洲市も必ず素晴らしい市によみがえってくれるだろう」と述べた。