《東日本大震災14年》災害の備え、見直して パネル展示やVR体験 茨城・水戸

東日本大震災から14年を前に、茨城県主催の体験型防災イベント「いばらき学ぼうさい」が8日、同県水戸市内原のイオンモール水戸内原で開かれた。震災当時の県内の被災状況を写した写真パネルが展示され、当時を振り返った買い物客が「災害への備えを、もう一度見直したい」と誓った。
展示や体験を通じ防災への関心を引き出し、震災の風化防止を図るのが狙い。「防災を楽しく学ぶ」をテーマに2020年度から毎年開いており、今回は10団体が16コーナーを設けた。
パネルは震災被害を中心に15枚を展示。県内沿岸部に押し寄せる津波、打ち上げられた車やがれき、液状化現象で傾く電柱、不安な表情を浮かべる避難者の様子などを紹介した。
県が新たに導入した仮想現実(VR)ゴーグルは、地震と津波の発生直後が体験できる。地震は激しい揺れとともに家具や物を倒し、津波は一瞬で街中を押し流すという恐怖を伝えた。
木造住宅の耐震化を呼びかけるため、柱や梁(はり)に見立てたストローで家を作るコーナーも設けた。補強の基本となる「筋交い」を柱と柱の間に斜めに入れることで強度が増すことを紹介。東京電力は、家が揺れると自動で電気を止める「感震ブレーカー」を展示した。
同県ひたちなか市高場、小田島修子さん(66)と同市高野、杉山和江さん(72)は「忘れかけていた当時を思い出した。自分で身を守る思いを新たにした」と、パネルを見詰めた。
県防災・危機管理課の鹿志村泉課長は「震災後も災害が相次いでいる。自身の備えを見直してほしい」と呼びかけた。