2020年から行方不明だった茨城県古河市東山田、職業不詳、女性(65)の白骨遺体が昨年10月、同県八千代町の畑の土中で見つかった事件で、県警は10日、殺人の疑いで、女性の長男で無職、男(45)=覚醒剤取締法違反の罪で水戸刑務所に服役中=を逮捕した。県警によると、「ペーパーナイフを突き刺して殺害した」などと供述し、容疑を認めているという。県警は2人の間で何らかのトラブルがあったとみて、動機などを調べている。

逮捕容疑は、20年4月21日午前7時ごろ、女性と同居していた自宅で、女性を床に押し倒して顔を蹴るなどした上、ペーパーナイフで首を複数回突き刺して殺害した疑い。

県警捜査1課によると、男が女性の殺害を自供した。女性の遺体を数日間放置した上、知人の男=別の事件で拘留中=に遺棄を依頼したという。知人の男は同年5月上旬、別の男と共に、同町の畑に重機で穴を掘り、遺体を遺棄したとみられる。県警は、専門家による遺体の損傷状況の調査結果や、女性の死体を遺棄した男の話と矛盾しないことを確認した。凶器とみられるペーパーナイフも、女性の自宅で押収した。

20年5月6日午前6時ごろ、男から「誰か来ている。助けて」と110番通報があった。駆け付けた県警古河署員が男に尿検査を実施すると陽性反応が出たため、同署は同日、覚醒剤取締法違反(使用)容疑で逮捕した。女性と連絡が取れず、男は当時、県警の調べに「(母は)自殺した」などと話したという。