外国人の茨城県内宿泊最多 24年 26万人、韓国6割増

2024年の1年間に茨城県内に宿泊した外国人客は延べ推計26万830人となり、過去最多となることが14日、県への取材で分かった。県が重点市場に位置付ける台湾と韓国が国・地域別で1位と2位を占めた。台湾はツアー客が堅調に伸び、韓国はゴルフ客を中心に前年より6割増加した。県は「強力な誘客活動が実を結んだ」として、プロモーションを一層強化する方針。
観光庁の宿泊旅行統計調査による速報値。これまでは18年の25万4190人(確定値)が最多だった。県観光誘客課は「確定値は速報値より増加する傾向にある」として、さらに伸びる可能性があるとする。
国・地域別では台湾が4万7710人(前年比7.1%増)で、韓国が3万3610人(同60.4%増)だった。3位は回復傾向にある中国の3万380人(同58.2%増)。米国の1万5410人(同23.2%減)までが1万人を超えた。
月別で見ると、台湾客は4月に6990人、10月に5170人が訪れた。国営ひたち海浜公園(同県ひたちなか市)のネモフィラやコキアの紅葉の見頃に合わせ、ツアーが増えたとみられる。
韓国客は10月に3720人、7月に3630人、4月に3590人が来県。春、夏、秋のゴルフシーズンに2000人以上を安定的に呼び込んだ。ゴルフ客は連泊のケースも多かった。
県は23年2月から、台湾に対し、茨城県観光の認知度向上を図るPR活動と旅行商品造成を促す取り組みを精力的に展開。大井川和彦知事のトップセールスやインセンティブツアー(報奨旅行)の誘致などにも取り組む。
同課は観光客の増加について「継続的なプロモーションの成果」と強調。韓国に対しても、新型コロナウイルス禍で密を避けるゴルフ需要が高まったことを受け、「茨城のゴルフを現地で強く打ち出し、認知が広がった」ことを要因に挙げた。
両国・地域の観光客は日本の四季の花に関心が高いことから、今後はいばらきフラワーパーク(同県石岡市)や潮来あやめ園(同県潮来市)といった「花絶景」の発信を強める。県内ゴルフ場に対しては、翻訳の支援や現地旅行業者との関係構築をサポートし、受け入れ体制を強化する。
同課の担当者は「(台湾客も韓国客も)まだ増える余地がある。引き続き積極的なプロモーションで誘客を図っていく」と話した。