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立原さん 準グランプリ 動画4分半、大子の漆紹介 ものづくりフィルムアワード 茨城

「ニッポンものづくりフィルムアワード2024」で準グランプリ受賞の立原裕之さん(前列左)と辻徹さん(同右)ら=大子町大子
「ニッポンものづくりフィルムアワード2024」で準グランプリ受賞の立原裕之さん(前列左)と辻徹さん(同右)ら=大子町大子


動画制作などを手がけるニッポン手仕事図鑑(東京都)が主催する「ニッポンものづくりフィルムアワード2024」で、映像制作を行う「LINK(リンク)」(茨城県小美玉市張星)代表でビデオグラファーの立原裕之さん(44)の出品作が準グランプリに輝いた。作品は木漆工芸作家の辻徹さん(61)=同県常陸大宮市在住=が取り組む漆搔(か)きや大子漆を使った漆器作りなどを紹介。立原さんは「いろいろな表現方法で各シーンを撮った。作品と向き合う姿勢、制作過程、作品の質感を伝えることができた。受賞はうれしい」と喜びを語った。

同アワードは、日本の「ものづくり」や「手仕事」に焦点を当てたドキュメンタリー映像作品の中から、グランプリなどが選ばれた。テーマは「今、会いに行きたい作り手の声」。全国から63作品の応募があり、45作品が1次選考を通過。1月に都内で表彰式が行われ、7作品の制作関係者が集い、各賞が発表された。

立原さんの作品タイトルは「器而庵(きじあん) 大子漆と八溝塗の100年先に続く産地をつくる」。「器而庵」は辻さんが手がける大子漆を使った漆器ブランド。「大子漆八溝塗 器而庵」(同県大子町大子)の店舗を構えている。

映像は辻さんが器而庵のホームページを制作するアイテックプラス(同県水戸市双葉台)の田山理恵さんに制作を相談したのがきっかけ。田山さんが立原さんを紹介し、協力して映像内容の方向性を固めた。

撮影は2023年6月から24年2月まで実施。辻さんが漆畑を歩き、漆の木の表皮に傷を付け、漆搔きを行うシーンからスタート。併せて「大子漆と八溝塗りの100年続く産地にしていきたいと思っています」とのメッセージが流れた。器而庵立ち上げの狙い、漆搔き、大子漆の特徴、漆器の制作過程などを紹介。辻さんは「漆器は使うほどに良くなっていきます」と語り、「皆さんに使っていただくことによってこれからの100年が来るのだと思っています」と結んだ。作品は4分31秒でまとめた。

立原さんは「もっと人の目に触れる機会になればいい」との思いでアワードに応募。式には立原さん、ビデオグラファーで妻の陽子さん、辻さん、田山さんが出席し、準グランプリ受賞の喜びを分かち合った。

辻さんは「完成した映像を見て、丁寧に作り込んでもらえた。見せたい部分や話したいことが伝えられ、改めて映像の力を知った」と話した。



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