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感染症対策 体制強化へ コロナ禍教訓に改定 茨城県行動計画素案

茨城県庁=水戸市笠原町
茨城県庁=水戸市笠原町


茨城県は新興感染症などへの対応を定める「県新型インフルエンザ等対策行動計画」の素案をまとめた。3月中の改定を目指す。県内で新型コロナウイルス感染者が初めて確認されてから17日で5年。新型コロナへの対応で明らかになった課題を踏まえて更新し、七つの対策項目を追加した。県民が有事に適切に行動できるよう、双方向のコミュニケーションを円滑にする体制整備などを掲げる。

県の行動計画は、上位計画の「新型インフルエンザ等対策政府行動計画」が昨年7月に改定されたのに伴い、県感染症対策連携協議会で審議してきた。改定は2019年1月以来、約6年ぶりとなる。

追加項目は「ワクチン」や「物資」「保健」など7項目。このうち有事に備えた意思疎通を指す「リスクコミュニケーション」は、コロナ禍の不正確な情報の広まりを教訓とした。

感染拡大当初、県には「県外から人が来ている」といった不安の声が多く寄せられた。マスク着用などの感染対策について、一部県民の理解が進まない状況もあった。こうした課題を受け、行政と県民とが協力して対策できるよう、県民が求める情報の把握と提供を円滑にする体制を整備するほか、国の相談対応機関の周知やコールセンターの設置準備などを行う。

「ワクチン」では、速やかに接種体制が構築できるよう、平時に接種会場や接種に関わる医療従事者の確保、接種の優先順位の考え方などを整理する。対応期には、円滑な流通と接種を促し、副反応などの症状の適切な情報収集、健康被害の迅速な救済に努める。

「物資」はコロナ禍で一時的にマスクなど感染症対策物資の不足が生じた課題を念頭に、行政が備蓄し、医療機関や社会福祉施設などにも呼びかけるとした。

「保健」は、感染症対応の中核となる保健所の取り組みを軸に据えた。日頃から有事に備えた年1回以上の研修や訓練を実施するよう努める。また感染経路の特定や濃厚接触者の把握など、コロナ禍同様に業務量が増大した場合を想定し、効率的な業務や連携ができる仕組みを整える。

意見公募の結果や同協議会での審議を踏まえ、最終的に改定する。県感染症対策室は「有事に県民の命を守るための行動計画。新型コロナへの対応で得た知見を多方面に反映し、実効性のある内容にしたい」と話している。



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