茨城県内サイバー犯罪238件摘発 24年 相談3000件、高止まり 県警、民間連携し対策
茨城県警は、サイバー空間での犯罪の取り締まりを強めている。インターネットを介して一層巧妙化する犯罪の手法を巡り、民間企業と連携してサイバーセキュリティー対策に取り組み、県民に素早い注意喚起できるよう努めている。県警サイバー企画課によると、2024年のサイバー犯罪の摘発件数は238件で、前年比で54件増加。内訳では、交流サイト(SNS)やメールを通じて個人名義の銀行口座の情報を譲り渡す犯罪収益移転防止法違反が50件で最も多く、同比41件増となっている。
このほか、不正に入手した後払い決済サービスアカウントを悪用した不正購入のほか、高校生による企業ポイントを不正入手した詐欺など、サイバー空間での犯罪があったとされる。
相談件数は、24年は3015件で前年より153件減少したが、22年から3千件台で高止まりしている。相談内容は、クレジットカード番号がだまし取られたり、個人のIDやパスワードを利用されインターネットバンキングに不正送金されたりする被害などがあったという。同課の担当者は「クレジットカード情報や口座番号など重要な個人情報を守るため、安易にサイトを開かないで」と警鐘を鳴らしている。
フィッシングメールやサイトによる被害を未然に防ごうと、同課は13日、サイバー空間での不正検知プラットフォームを運営する「アクシオン(ACSiON)」(東京都千代田区)と連携し、サイバーセキュリティー対策に関する協定を締結した。
同社は人工知能(AI)を駆使して、インターネット上で公開された偽のメールやウェブサイトを数時間で検知し、県警と日々、データを共有する。県警は県民に向け、SNSや「ひばりくん防犯メール」などを通じて情報を発信、注意を喚起する。
フィッシングサイトやメールの多くは、金融機関やクレジットカード会社などを装っていることが多く、利用者は被害に気付いていないこともあるという。
同社の安田貴紀社長は「官民連携の相互連携は被害防止につながる。これまで以上に機敏な対策をしたい」と意気込んだ。県警の石崎宏文サイバー統括官は「より安心したサイバー空間をつくれるよう、迅速かつ的確な情報を発信したい」と話した。











