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茨城県ハラスメント指針 定義や処分、明文化

茨城県庁=水戸市笠原町
茨城県庁=水戸市笠原町


茨城県はハラスメント防止へ向けた基本指針を策定した。パワハラ、セクハラなどの定義や行為に対する処分を明確化したほか、管理職向け研修や相談体制も強化する。顧客など外部から理不尽な要求を受ける「カスタマーハラスメント」には対策マニュアルを整備し、「組織で統一的に取り組む指針」(県担当者)を定めることで、未然防止を推進していく。

新たに策定したのは「ハラスメントの防止に関する基本指針」。定義が曖昧なパワハラやセクハラ、マタハラなどの基本的な行為内容について示したほか、一般職や管理職などの責務を明文化した。ハラスメントによる懲戒処分についても盛り込んだ。

相談体制では、管理職が兼務している庁内配置の相談員の人員数を増やす。メールなどによる相談フォームに加え、弁護士やカウンセラーらによる外部相談窓口の周知を進める。ハラスメントの状況を把握し、対策を進めるための年1回の定期調査も実施していく。

これまで職員が「課長補佐(総括)」への昇任時にのみ受けていた研修は、課長補佐以上に昇任するたび、毎回受ける仕組みへと見直す。定期的に研修を受講することで、職員の意識啓発や知識向上につなげる。

このほか、カスハラに対するマニュアルも整備。「妥当性がない」「実現のための手段が社会通念に照らして不相応」と判断できる申し出や要求をカスハラと定義した。こうした要求には管理職などの上司が応じ、不相応な要求が続く場合は対応を終了する。

今後、窓口業務のある出先機関には、通話録音装置や防犯カメラの設置も進める。所属長が認める場合は、名字のみの名札着用も可能とした。

県は昨年8月、知事部局の約7千人を対象に、2023年度中に受けたカスハラに関するアンケート調査を実施。回答した約2千人のうち5割が「暴言を受けた」「電話などで長時間にわたる対応を求められた」「理不尽な要望を繰り返された」などと回答。このうち約8割が「業務に支障が生じた」「強いストレスを感じた」としている。

県行政経営課は「さまざまなハラスメントに組織として対応し、個人で抱え込まないような体制づくりを進めていく」としている。



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