縄文土器に縄の圧痕 国内最古か 石岡・白久台遺跡 茨城

茨城県石岡市石岡の白久台遺跡から出土した縄文土器片から、土器の文様を付けるために道具として使用された縄「縄文原体」による圧痕が発見され、市が17日までに発表した。市教育委員会、中央大、金沢大の研究グループが共同調査し、縄文原体および圧痕の発見は国内3例目。研究グループは縄文人が土器製作時に使用していた道具の形状、当時の生活環境を考察する手掛かりになるとしている。
発見された縄文原体による圧痕は長さ50ミリ、幅3ミリ。研究グループによると、縄文土器の文様付けに使用された縄やその跡が発見されることは極めて珍しく、今回の圧痕は国内2例目の加曽利貝塚(千葉市)より古い縄文時代中期(約5000年前)に使用されていたと想定され、国内最古の発見とみられる。
この土器片の出土は1980年代後半で、その後の再整理、研究を経て約40年後の歴史的発見となった。研究グループの金子悠人さん(市教委)は「土器の製作時、底の部分にたまたま付いてしまったものと思われる。(土器製作に)縄を使っていたことは推測されていたが、本当かどうかを証明するものがあまりなかった。この発見により、縄文土器をどうやって製作していたのかを復元できる」と語った。
縄文原体による圧痕は、市立ふるさと歴史館(同市総社)の企画展「いまゆくすゑも定めなき土器にて」で展示されている。4月6日まで。