大洗のシロワニ第3子 絶滅危惧種のサメ 世界初、3期連続繁殖成功 茨城

茨城県大洗町磯浜町のアクアワールド県大洗水族館は18日、絶滅危惧種のサメ「シロワニ」の3度目の繁殖に成功したと発表した。幼魚は15日に生まれた。親ザメは2021年、23年と同じペア。同館によると、シロワニは2年に1度の周期で繁殖し、母ザメが5年間に3期続けて妊娠・出産したのは世界で初めてという。
幼魚は全長98センチ、体重6.2キロの雌で、安定した泳ぎを見せている。同館は24年2月に親ザメの交尾を、同8月に最初の胎動を確認した。
魚類展示課職員の徳永幸太郎さん(47)は「これまでの繁殖経験が実を結んだ」と喜びの表情を見せた。季節で水温を変えて父ザメの発情を促したほか、交尾後の母ザメをよく観察して胎動を捉え、早い段階で妊娠に気付くことができた。
徳永さんは「シロワニの種の保全につながる貴重なデータを蓄積できた」とする一方、「餌を食べる練習はこれから。順調に成長するまで気を抜けない」と表情を引き締めた。
幼魚の一般公開は健康状態を見て検討するという。
シロワニは温帯-熱帯の海に生息。おとなしい性格で、全長約3メートルに成長する。絶滅の恐れがあり、21年に同館が国内で初めて繁殖に成功した。