日鉄鹿島 高炉跡地の早期利用促す 対策本部 「地域経済 影響も」 茨城
日本製鉄(東京)東日本製鉄所鹿島地区(茨城県鹿嶋市光)による3月末の高炉1基休止に備え、県と同県鹿嶋、神栖両市などは19日、合同対策本部会議を開いた。脱炭素化へ向けた新技術導入など早期の跡地利用を同社へ求めたほか、「高炉休止後に地域経済への影響が顕在化する可能性がある」として地元雇用や受注支援を続ける方針を示した。
会議は県庁で開かれ、県と両市、関東経済産業局、茨城労働局のほか、同製鉄所鹿島地区の代表らが出席。大井川和彦知事は冒頭、「経済の影響を最小限にとどめるため、高炉休止後の跡地利用を促していくことが重要と考えている」と述べた。
高炉休止後の跡地利用について、県は鹿島港などで進める「いばらきカーボンニュートラル産業拠点創出プロジェクト」を踏まえ、脱炭素に向けた新技術導入や設備投資を促すなど早期の対応を要望。残る1基に対しても長期的な稼働を維持し、地域経済への影響を最小限にとどめるよう求めた。
日鉄側は「(跡地は)社内で議論を進め検討している」と説明。カーボンニュートラルへの対応についても「(県の取り組みに)貢献できるものがあれば連携したい」と述べるにとどめた。
同製鉄所鹿島地区では従業員2900人のうち、操業や整備に関わる80人を同製鉄所君津地区(千葉県君津市)に配置転換する。鹿島地区の敷地内で操業する協力会社の雇用についても、整理解雇は行われない見通しにあることを説明した。
一方、地域経済への影響について、県は「高炉休止後に顕在化する可能性がある」と懸念。離職者や休職者と地元企業との就職マッチング会開催やビジネスコーディネーター配置による下請け企業のニーズ把握など、今後も支援策を続ける考えを示した。
県地域振興課は「今後、鹿嶋市や神栖市との情報共有を図り、地元にどんな声が上がっているのか注視していく。必要に応じた支援策の検討も進める」とした。











