茨城空港旅客100万人目標 検討会提言へ 国内外路線拡大
航空関連の有識者で構成する「茨城空港のあり方検討会」が茨城県に提言する同空港の将来ビジョンの概要が20日、関係者への取材で判明した。将来の旅客(利用者)数について短期から長期にかけて目標を設定。2020年代に、過去最高の78万人をさらに上回る100万人超、30~40年代に100万人台後半まで増やし、段階的に国内外の路線拡充と新規路線を開拓するとしている。
検討会は24年8月発足。「1時間1着陸」だった民間機の着陸制限が23年10月に緩和されたことを受け、同空港の利用拡大に向けた将来像を検討している。今月下旬の4回目の会合で、目標の利用者数や具体的な空港機能拡張のスケジュールを示した将来ビジョンを決定する予定となっている。
将来ビジョンには、20年代までに国内線を1日当たり約10便、国際線を週当たり約20便まで拡大させることが盛り込まれる。実現に向け、県などは航空会社や旅行会社への働きかけを強め、現在の定期便や連続チャーター便の運航本数の増加を目指す。
30年代以降はさらなる既存路線の運航本数の増加を目指しながら、新規路線を開拓していきたい考え。特に国際線は茨城県へのインバウンド(訪日客)が多い韓国、台湾、中国を中心に就航を促し、ベトナムなど東南アジア方面の誘致も進める方針だ。40年代には欧米路線の開拓も視野に入れる。
空港機能拡張のスケジュールについては、20年代までに滑走路と駐機場を結ぶ「取付誘導路」を現在の1本から2本に増やし、運航の効率化を図る。ターミナルビルも、早期に現在の建物の南側への拡張に着手。需要に応じて段階的にビルを拡張する。
既に立体化の方針を示している駐車場は同年代に具体的な運用方法を検討後、ニーズを踏まえて整備していく。航空機が滑走路を通らずに駐機場に移動できる平行誘導路も同年代に整備の効果を検討し、航空会社の乗り入れ状況によって対応を進めるとした。
県は検討会からビジョンの提言を受けた後、速やかにパブリックコメント(意見公募)を実施する意向。利用者らの意見を反映させた上で、6月ごろに県の将来ビジョンを正式決定する方針。