国内最大級 起重機船「いばらき700」お披露目 三国屋建設 港湾工事、海洋開発に活用 茨城

海洋土木事業などを手がける三国屋建設(茨城県神栖市奥野谷、和田英司社長)は21日、港湾工事や洋上風力などに貢献する国内最大級の押船型起重機船「いばらき700」を、同県ひたちなか市阿字ケ浦町の常陸那珂港で報道陣に公開した。同社は座礁船舶の救出のほか海難救助や災害時の復旧・復興にも役立てたい意向。
一般的な港湾土木への使用のほか、海洋調査・測量を含む海洋開発、洋上での再生エネルギー事業などで活用できる。海難救助では他の船に比べ、いかりを打つ時間などを短縮し、いち早く救助するほか、航路障害になった船の残骸も撤去できる。
総工費は約51億円。2022年11月に起工し、今年1月完成した。全長80メートル、幅32メートル。船首に700トンつりという国内最大級のクレーンを搭載する。
移動したい場所の座標を設定すると、四つの推進装置を使い、自動でその場所へ動くことができる「船舶自動定点保持装置」を備えるのが特徴で、自由自在に船体制御を取れる。新設計の船体により他の船と比べて水の抵抗が少なく、燃料消費率が少ない。
同社は今後、能力向上を果たした船に合わせた仕事を受注していく方針。和田社長は「次世代に使ってもらい、経験を積み、新しい分野に挑んでもらいたい」と語った。