行方市庁舎の移転条例可決 市議会 医療センター敷地 茨城

茨城県の行方市議会(定数18人)は定例会最終日の21日、本会議を開き、「なめがた地域医療センター」敷地内に新庁舎を整備するため、市役所の移転集約に必要な位置条例の改正案を原案通り可決した。議長も表決に加わり、出席議員の3分の2以上の同意が必要な「特別多数議決」で行われ、出席議員17人(1人欠席)のうち、賛成の意思を示す白票12票、反対の青票は5票だった。
審議された位置条例改正案は、現在の市役所の位置(同市麻生)を同センター内(同市井上藤井)に改める内容。市は旧3町(麻生・玉造・北浦)の町役場を用いた3庁舎体制を、同センター敷地内に集約することを検討している。市によると、3庁舎とも建物の老朽化で維持管理費が増え、一部庁舎は耐震性にも不安があるという。
市役所など自治体の事務所の位置決定や変更は、地方自治法で定める特別多数議決に該当。議員定数の半数以上の出席と、議長を含めた出席議員の3分の2以上の同意が必要で、記名投票で行われた。市議は順番に、白票か青票を投票箱に投じた。
新庁舎整備は、20年前に旧3町が合併して行方市が発足して以来、長年の課題。鈴木周也市長は条例案の可決を受け、取材に対して「新市庁舎の位置がやっと定まったので、今後は建設の方法論を展開していくことが重要になってくる。建設の方向性が決められ、本格的な調査がスタートできる」と話した。
市は、新築または旧救命救急センターの改修・増築の2案を中心に検討しており、事業費は40億~60億円程度を見込む。合併特例債を活用する方針で、返済額の7割を国が負担するため、市の財政負担を抑えられるメリットがあるとしている。