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地方大学 在り方探究 茨城大シンポ 教員ら議論交わす 水戸

地方大学の在り方を考えたシンポジウム=水戸市文京
地方大学の在り方を考えたシンポジウム=水戸市文京


地方大学の在り方を考えるシンポジウム「イバダイの価値を問う」が22日、茨城県水戸市文京の茨城大水戸キャンパスで開かれ、教員ら14人が大学の進むべき方向について議論を交わした。

同大は創立70周年記念事業として、大学の在り方を探究する「みんなのイバダイ学プロジェクト」を立ち上げ、2018年12月にシンポジウムを開いた。本年度は創立75周年、創基150周年に当たり、学外への発信と、学内での分野を越えた議論を行うため、シンポジウムを企画した。

東京大大学院教授の隠岐さや香氏(教育学)が基調講演し、科学史家の観点からヨーロッパの大学の成り立ちや学問の分類を説明。大学は本来、知識を得る公共的な場所だったが、現在は知識と学びを商品として買う場所になりつつあると指摘し、立ち止まって役割を考える必要性を訴えた。

政治情勢の変化で環境科学やジェンダー平等の研究費が消える事態が起きているとも説明。「理想を言っても政治に阻まれる状況だが、イノベーションを止めるわけにはいかない。厳しい時代だからこそ、大学と地域社会が一緒に考え、世界の片隅から自由な対応を呼びかけることが重要」と語った。

分科会とパネルディスカッションが続いて開かれ、同大の教員らが大学教育、研究、地域をテーマに、それぞれの立場から討論を重ねた。

同大の佐川泰弘理事・副学長は「このシンポジウムが地域の人々にとって、イバダイは役に立っているのか、期待されているのかなどを率直に聞ける機会になれば」と話した。



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