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落とし物最多33万件 茨城県内 経済活動回復 影響か 県警まとめ 4年連続増

つくば署に届けられた落とし物を倉庫で管理する同署の担当者=つくば市学園の森
つくば署に届けられた落とし物を倉庫で管理する同署の担当者=つくば市学園の森


茨城県内の警察署や交番に昨年1年間に届けられた落とし物(拾得物)が33万6843件に上ることが25日までに、県警のまとめで分かった。4年連続で増加し、2008年に統計を始めて以降、最多となった。コロナ禍が明け、経済活動が回復したことが影響したとみられる。届けられる落とし物は持ち主が見つからないまま保管期限を過ぎてしまうものが多く、県警会計課は「なくしたからと無理だろうと諦めず、問い合わせてほしい」と呼びかけている。

■カード類多く

同課によると、落とし物で届けられた現金は総額約3億1873万円(前年比約550万円減)。持ち主が判明しなかった約6000万円は拾得者に引き渡され、拾い主も所有権を放棄した約7424万円は県の収入となった。届けられた現金の中には100万円以上の落とし物は6件あった。

個別に数えた物品は計41万4430点の届け出があり、最多は運転免許証などの証明書やカード類の10万7355点。次いでタオルや眼鏡などの生活用品類で4万7385点、交通ICカードやプリペイドカードなどの有価証券類が4万2101点だった。

動物も拾得物に扱われ、昨年は672件の届け出があった。最多は犬の317匹で、猫は136匹だった。このほか、ハリネズミやフェレットなど珍しい動物の届け出もあった。

■倉庫にずらり

県警つくば署の落とし物を保管する倉庫には届けられた拾得物が袋にまとめられ、ずらりと並ぶ。同署には毎日20~30件の遺失物届や拾得物の届け出があり、商業施設などからは一度に100件の落とし物が届けられることもあるという。

交番や警察署に届けられた落とし物は、原則3カ月間は警察署で保管される。持ち主が見つからなかった場合、個人情報が含まれるものは廃棄、そのほかは拾い主に引き渡されたり、売れそうなものは業者に売り、県の収入に計上される。

同署の佐藤房代会計課長によると、貴重品や記名されているものは返還されやすい傾向にある一方、持ち主が分からないまま、保管期限を過ぎてしまう落とし物の方が多い。

■検索サービス

昨年届けられた落とし物のうち、持ち主に返還された通貨は約1億9687万円で全体の約6割、物品は約4割の16万913点にとどまった。同署の担当者は「照会をかけて初めてなくしたことに気付く人もいる。落とし物をしても見つけられるように、名前を書いたり、他と異なる特徴を持たせるのも大切」と話した。

県警はホームページで各署が保管する落とし物の検索や遺失物届を申請できるサービスを提供している。同課は「持ち主が分からないケースがほとんど。落とし物をした場合は遺失物届を出して、問い合わせてほしい」と呼びかけた。



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