巧みに命吹き込む こいのぼり作り 茨城・潮来

茨城県潮来市洲崎の建設業、荒野麟太郎さん(23)の自宅敷地内ガレージやプレハブハウスに、色とりどりのこいのぼりが所狭しと並んでいる。高校3年の春に趣味で始めたこいのぼり作りは、樹脂顔料を用いて力強い目やうろこを描く、プロ顔負けの巧みさだ。
横長の真っ白な木綿の布を木枠に画びょうで固定し、フリーハンドで一筆一筆丁寧に命を吹き込んでいく。塗料は、アクリル絵の具だけではなく、昨年6月から「色落ちせず、色がにじまない」樹脂顔料を採用。使い分けながら、鮮やかな赤や金色、ピンクなどを表現していく。
今後、5月5日の「端午の節句」に向けて、4月下旬までに横8メートルのこいのぼりを3セット。裏表両面で48メートルを描き上げる予定だ。躍動感のある作品が人気で「ものづくりの基準として『売れる物と同じレベル』を心がけている。手描きのこいのぼりはプリント製品とは違い、遊び心を入れたり、自由度が高かったりするのが魅力」と笑顔を見せる。