冷凍すし生産施設、境町に完成 特産品化や輸出も視野 茨城

茨城県境町に冷凍すしの開発・生産施設が完成し、26日に現地で開かれた落成式でお披露目された。施設はすし店などを運営する「ONODERA GROUP(オノデラグループ)」(東京)のONODERAフードサービス(同)が指定管理者となる。4月以降、電子商取引サイトや町のふるさと納税の返礼品などで扱い、町の特産品化や海外への輸出を視野に入れる。
施設は町が総事業費約4億6139万円をかけ整備した。このうち6割超の約2億9298万円は国の補助金などを活用。管理者は施設使用料を町に払う。
広さ約2541平方メートルの敷地に、商品開発や加工・生産スペースなどを備えた建屋は延べ床面積約652平方メートル。
職人がすしを握り、特殊な冷凍技術を持つデイブレイク社(東京)が開発した装置で冷凍する。乾燥や変色など食品へのダメージが少なく、すし店で提供される料理に引けを取らないレベルの味を目指している。当初はマグロの赤身や中トロ、いくらなど握りずし10貫のセット(5000円)を製造し、種類を増していく。
オノデラグループは、すしや天ぷらといった「銀座おのでら」ブランドの和食店を国内外で展開。今年1月には町が整備した施設の指定管理者として高級すし店「廻転鮨(かいてんずし)銀座おのでら境町店」を開店した。
小野寺勇司社長は「最高の品質のすしをより多くの人に楽しんでもらいたい」と強調。橋本正裕町長は「町民にも還元できるよう同社と一緒になって取り組んでいきたい」と話した。