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常磐道 経済効果3兆円 全線開通10年 茨城など沿線の発展支援

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常磐自動車道が今月、全線開通から10年を迎えたのに合わせ、東日本高速道路(ネクスコ東日本)が整備効果をまとめた。東京方面と仙台方面を結ぶ高規格道路として、茨城県や福島県浜通りを中心とする沿線地域の発展を支援してきたと強調。10年間の経済波及効果(生産額変化額)は全体で約3兆円と算出した。

常磐道は1981年に柏インターチェンジ(IC)-谷田部IC間が初めて開通。延伸を重ね、2015年3月1日、福島県内の常磐富岡IC-浪江IC間の供用により全線開通した。まとめによると、首都圏と東北地方の太平洋側のアクセス性が向上し、24年には累計利用台数が約27億台に到達。東京-仙台間は平均約5時間36分で、一般道を利用した際の平均より5時間以上短く、所要時間のばらつきの差も一般道より2時間10分短縮している。

東北自動車道などからの交通の転換で、東京方面から仙台方面の移動の約4割を分担。全線開通前の14年には、東北道が9割に上っていた。

10年間の経済波及効果は約3兆円と算出した。沿線5県の効果で、産業別の内訳は「道路貨物輸送」の31%をトップに、「金融・保険・不動産」11%、「商業・観光」9%と続く。

15年の1年当たりの効果は、茨城県内が全体の半分以上を占める約1500億円。生活圏別では、水戸・日立665億円▽土浦459億円▽下館・古河254億円▽鹿嶋126億円-となった。県外では仙台(宮城県)の421億円が最も高く、次いでいわき(福島県)の249億円だった。

沿線地域の物流施設立地件数の累計は全線開通前の14年まで95カ所だったが、24年時点では約2倍の187カ所に増加。22年度の茨城県-宮城県間の自動車による貨物輸送は、14年度比41トン増の162トンと約1.3倍に増え、海運との分担率も約5割から7割近くまで拡大した。

このほか、常磐道は防災上の貢献を想定。守谷サービスエリア(SA)は広域災害の発生時に自衛隊や消防など、緊急出動機関の前線基地を担う。自家発電設備、共同災害対策室、救護室、防災倉庫、ヘリポートなどの機能を持つ。

10年の節目に際し、ネクスコ東日本は「今後もより安心、安全、快適、便利な道路を目指し、スマートICの整備など改良を進めていく」としている。



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