家具の再生販売好評 ごみ減量へ年3回抽選 シルバー人材会員修理 茨城・神栖市

茨城県神栖市で、粗大ごみとして持ち込まれた家具をきれいに再生して抽選販売する取り組みが好評だ。同市南浜の市第一リサイクルプラザで年3回実施しており、3月は93点全てが新たな持ち主に渡った。市シルバー人材センターの会員が修理を担っており、中には倍率が20倍を超える人気家具もある。
同販売会は、ごみの減量につなげようと市が2005年から始め、近年は7月、11月、3月の年3回実施している。24年度は計763人が来場し、318点の再生品に対して1903点の申し込みがある盛況ぶり。売上金額は約65万円だった。
販売価格は無料から1万円で、申し込みは1人3点まで。申込期間は6日間で、当選者には電話で連絡している。トラブル防止などのため、購入したリサイクル品は購入者自身が運び出しや運搬を行う決まりだ。
3月3~8日の申込期間には、同プラザの会場にダイニングテーブルや椅子、たんすなど93点がずらりと並んだ。6日に訪れた大塚啓子さん(75)は「何にしようか選ぶ時間が楽しい。安くて良いものがたくさんある」とにっこり。壁に貼られた倍率表をチェックしていた別の女性(75)は「新品同様で、シルバーさんの技術はすごい」と声を弾ませた。
同プラザによると、93点のうち88点は期間中に申し込みがあり、先着順の販売にした残り5点もすでに売れた。1番高倍率だったのは収納ボックスの26倍で、過去にはゲーミングチェアなどが30倍を超えたこともあるという。
家具をよみがえらせているのは市シルバーセンターの会員5人だ。汚れた椅子のレザーを張り替えたり、木のテーブルは表面を削って新品同様にしたり。ソファの日焼けしていない部位の布を再利用するなど、再生に使う材料も廃棄された家具から選んでいる。会員の五十嵐勇さん(80)は「材料をどう生かすか考えるのが楽しい」と話す。
再生家具にするのは、粗大ごみとして持ち込まれた家具の1割ほどという。同プラザは「廃棄された家具を販売することによって、市民に不要品を有効利用する意識を持ってもらいたい」としている。