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第25回日立さくらロードレース ハーフ男子・長柄 ハーフ女子・阿萬 V

〈ハーフマラソン〉男子総合で連覇を果たした長柄陽大(NAKAGO AC)=日立市幸町
〈ハーフマラソン〉男子総合で連覇を果たした長柄陽大(NAKAGO AC)=日立市幸町
〈ハーフマラソン〉女子総合優勝の阿萬香織(65BASE)=日立市幸町
〈ハーフマラソン〉女子総合優勝の阿萬香織(65BASE)=日立市幸町
〈ハーフマラソン〉女子総合2位の青山幸世=日立市幸町
〈ハーフマラソン〉女子総合2位の青山幸世=日立市幸町
〈ハーフマラソン〉男子総合2位の川端尚志(日立市陸協)=日立市幸町
〈ハーフマラソン〉男子総合2位の川端尚志(日立市陸協)=日立市幸町


第25回日立さくらロードレース(茨城新聞社など主催)は6日、茨城県日立市のJR日立駅前の平和通りをスタートし、日立新都市広場をゴールとする特設コースで開かれた。

ハーフマラソン男子総合は長柄陽大(NAKAGO AC)が1時間7分11秒で連覇。2位には、1時間10分2秒の川端尚志(日立市陸協)が入った。同女子総合は初出場の阿萬香織(65BASE)が1時間28分59秒で初優勝。2位には埼玉から参加の青山幸世が1時間30分8秒で入った。レースには全国から1万1495人がエントリーし、ハーフマラソンのほか、10キロ、5キロ、2.2キロ、1.8キロの5部門30種目で行った。

《ヒーロー》ハーフ男子 長柄が連覇 努力結実 教え子の期待応える

連覇で積み重ねた努力の成果を示した。前回を上回る1時間7分11秒で男子ハーフマラソンを制した長柄陽大(21)=NAKAGO AC=はゴール後「最後は応援だけが頼りだった。本当に助けられたレースだった」と声を震わせた。

「感謝の気持ちを伝える」と気合を入れ、ゲストランナーとともに先頭へ。途中まで1時間6分台に迫る好ペースで進んだ。5キロ過ぎで「明らかに汗をかけていなかった」と異変を感じつつも、足は止めなかった。ラスト4キロは脱水症状で、足もつりそうになる中、沿道には「長柄先輩ファイト!」と力強い言葉が書かれたボードを持つ、教え子たちの姿があった。駿河台大4年で現在、母校・中郷中駅伝部を中心に指導する長柄。声援に背中を押された。最後の100メートルは「応えるつもりで絞りきった」と力強く地面を蹴り、ゴールテープを切った。

前回の初優勝後「記録にこだわる」と、短い距離の種目にも取り組みスピードを磨き、非公式ながら自己ベストを更新。後輩指導の傍ら、毎日21キロのジョグを重ねて地道に体をつくった成果を地元大会で示した。

来月に教員採用試験が控えており「弾みになった」と話す。「恩師のように慕われる先生になりたい。恩師を超えるのが自分の夢です」と白い歯を見せた。168センチ、60キロ。

《ヒロイン》ハーフ女子 阿萬、初出場優勝 絶景と仲間の応援 力に

ゴールを駆け抜けたその瞬間、桜に負けないくらいの華麗な笑顔が咲き誇った。ハーフマラソン女子総合の阿萬香織(37)=65BASE=は初出場で優勝を為し遂げ、「1位になれると思っていなかった」と興奮気味に語った。

序盤から起伏が激しかったが「最高だった」となんのその。普段はレース中に必ず着用するというサングラスを外し、今大会の名物である桜並木と晴れ間が指す太平洋の大絶景をその目に焼き付け、英気を養った。1キロ4分13秒のペースで快走し、18キロ地点でトップを奪取。以降はぐんぐんと後続を突き放していった。

札幌市在住。学生時代は陸上未経験だったが、10年前からダイエットを目的に走り始め、マラソン仲間との交流を通じ、長距離の世界にのめり込んだ。「仲間と走るのが好き」と2022年にはイベント会社・65BASEを設立し、「走ることで人と地域を元気にする」をモットーにさまざまなランニング企画を実施。こうした活動が認められ、札幌観光大使にも就任した。

「絆がある」と口にしたように、この日は男子の部で出場した〝仲間〟に風よけとして応援を受けたこともまた、栄冠へとつながった。「いつか茨城でもイベントをやりたい」。女王はこれからも同志を増やして、走ることの楽しさを広めていく。173センチ。

■ハーフ男子 川端2位 全力出せた

○…1時間10分2秒で男子総合2位に入った川端尚志(41)=日立市陸協=は「1番になれなかった悔しさはあるが、今の全力は出せた」と振り返った。

前回10キロ部門を制し、今回ハーフに挑戦。序盤5キロまでは先頭に食らいついたが「1位の選手が素晴らしかった」と引き離された。日差しが強く、潮風も強く吹く中だったが、後ろに抜かれることなく、2位を死守してゴールした。

大学進学を機に、新潟から茨城へ移住。現在、日立工高の教員で、陸上部を指導する。「自分がもがきながら頑張る姿がほかの人たちの何か力になれれば」と話し、教え子や仲間の存在が「原動力」と語る。「体が動くうちは頑張って走りたい」と爽やかに語った。

■ハーフ女子 青山2位 練習の成果

○…1時間30分8秒でハーフマラソン女子総合2位となった青山幸世(43)=埼玉県在住=は「最初は坂がつらくて心が折れかけたが、(観客に)悪いところは見せられないという気持ちで走った」と充実した表情を浮かべた。

レース直後から急なアップダウンと海岸から吹き付ける激しい向かい風に苦しめられた。しかし、太鼓や子どもの声援といった沿道からの激励に背中を押され、ペースを緩めることはなかった。

「月に最低200キロ走る」。35歳からマラソンを始め、努力した分だけ報われるという競技特性に引かれていった。遅咲きのランナーは「これからも日々練習を重ねたい」と20日に行われるかすみがうらマラソンに向けて力を込めた。

■1.8キロ小学男子5・6年優勝の佐藤蓮(作新学院) 達成できて良かった

優勝を狙っていたので達成できて良かった。前回9位だったので、今年こそ1位を取りたいと思っていた。最後ゲストランナーの人が声をかけてくれて、スパートをかけられた。

■5キロ男子39歳以下優勝の斉藤直希(ひたち医療センター) 3連覇果たせて安心

3連覇を果たせて安心した。道中、すれ違う人からの応援もあり楽しんで走れた。来年も優勝したいという気持ちが芽生えた。家族も応援してくれているので良い姿を見せたい。

■2.2キロ中学女子優勝の宮下舞桜(足利陸上ク) 90点の走りができた

(今回のレースは)100点満点中90点くらい。最後いつもだったらペースが落ちちゃうけど、最後上がって終わることができて良かった。

■10キロ女子39歳以下優勝の沼田夏楠(笠松走友会) 元気な姿見せられた

地元で優勝して元気な姿を見せられた。2週間後のボストンマラソンに向けて準備を進めてきたので、また皆さんに勇気を与えられるような走りをしたい。

▽主催 日立さくらロードレース実行委員会、日立市、日立市教育委員会、茨城新聞社、日立市陸上競技協会、日立市スポーツ協会
▽後援 県、県教育委員会、県スポーツ協会、茨城陸上競技協会、全国マラソン連盟

■上位記録
【男子】
◇ハーフマラソンの部
▽総合
①長柄陽大(NAKAGO AC)1時間7分11秒②川端(日立市陸協)1時間10分2秒③岡野1時間12分2秒

▽39歳以下
①長柄陽大(NAKAGO AC)1時間7分11秒②小森(サウルスジャパンRC)1時間13分23秒③木村(茨城陸協)1時間14分17秒

▽40歳代
①川端尚志(日立市陸協)1時間10分2秒②岡野1時間12分2秒③井坂(航空自衛隊百里)1時間14分8秒

▽50歳代
①水越元洋(Wisdom.RC)1時間19分35秒②安斎(安達RC)1時間20分20秒③皆川(ちーむ いばらっきー)1時間20分37秒

▽60歳以上
①鈴木恭介(勝田マラソンを走る会)1時間31分16秒②坂田(OSC高萩)1時間33分0秒③斉藤(太陽)1時間33分30秒

◇10キロの部
▽39歳以下
①西坂昂也(神奈川大)29分54秒②松井(松戸市陸協)30分10秒③松崎(神奈川大)30分35秒

▽40歳代
①大山研二(水戸地検)34分6秒②黒田35分19秒③森35分42秒

▽50歳代
①小山豊(三菱ジェネレーター)34分25秒②大友(安達RC)36分47秒③柴沢36分53秒

▽60歳以上
①伊達直人(■ちびっこハウス真勇会■)38分3秒②海老根(笠松走友会)39分12秒③皆川(GROW)40分8秒

◇5キロの部
▽39歳以下
①斉藤直希(ひたち医療センター)15分26秒②青木(RUNS)15分55秒③飯塚(阿見町役場)16分3秒

▽40歳代
①我妻治(我流AC)16分27秒②和田(常陸太田AC)16分34秒③宇佐美(プロテリアル)17分13秒

▽50歳代
①本間嘉彦17分29秒②高橋(太田走友会)17分34秒③中岡(神栖TC)17分38秒

▽60歳以上
①松田博司19分21秒②広瀬(広信走友会)19分56秒③海老根19分59秒

◇2.2キロの部
▽中学生
①関口功将(茨城キリスト)6分51秒②染谷(岩井)6分53秒③土田(峰山)7分10秒

◇1.8キロの部
▽小学3、4年
①藤田大雅(矢祭)6分17秒②大高(ひらかた)6分51秒③尾崎6分55秒

▽同5、6年
①佐藤蓮(栃木・作新学院)5分57秒②本橋(竹園東)6分9秒③染谷(長須)6分16秒

【女子】
◇ハーフマラソンの部
▽総合
①阿萬香織(65BASE)1時間28分59秒②青山1時間30分8秒③吉成1時間32分35秒

▽39歳以下
①阿萬香織(65BASE)1時間28分59秒②吉成1時間32分35秒③SIU YI1時間32分59秒

▽40歳以上
①青山幸世1時間30分8秒②玉手(福島持久力ク)1時間33分25秒③高梨(千波湖朝ラン会)1時間35分55秒

◇10キロの部
▽39歳以下
①沼田夏楠(笠松走友会)36分10秒②吉元(ウイングAC)42分7秒③片根45分51秒

▽40歳以上
①松本恭子38分8秒②朝倉(東京海上日動)39分27秒③勝浦(白岡RC)39分43秒

◇5キロの部
▽39歳以下
①青木莉楠(笠松走友会)18分12秒②大森(我流AC)19分31秒③富永(笠松走友会)20分9秒

▽40歳代
①中岡正誉(神栖TC)21分39秒②たかの22分7秒③福島(聖麗メモリアル病院)23分45秒

▽50歳以上
①村山かおり(サウルス茨城)20分38秒②渡辺(ストライズ)21分26秒③永井(eA茨城)21分46秒

◇2.2キロの部
▽中学生
①宮下舞桜(足利ク)7分49秒②大山(茨城)7分53秒③百武(水戸アスリートク)8分32秒

◇1.8キロの部
▽小学3、4年
①林来真(うこっけいおみたまごファーム)6分56秒②植松(うたぴょんスポーツ)7分4秒③栗原7分32秒

▽同5、6年
①林弥真利(うこっけいおみたまごファーム)6分9秒②布施(日立エーシー)6分10秒③鈴木(ヴァローフープスアカデミー)6分21秒




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