伝統の舞、磐戸神楽奉納 古河・鷲神社 神話12の物語表現 茨城

茨城県古河市大和田の鷲(わし)神社(鮎川知子宮司)で6日、県無形民俗文化財の大和田磐戸(いわと)神楽が奉納された。日本神話に基づく神楽が約4時間にわたって披露され、境内に集まった観客が約265年間続く伝統の舞に見入った。
神楽は豊作や病気の退散を願って、江戸時代中頃の1760(宝暦10)年に始まったとされる。「奉幣(ほうへい)の舞」をはじめ、「五行の舞」や「那岐那美(なぎなみ)の舞」「翁の舞」「猿田の舞」など、国づくりから天照大御神(あまてらすおおみかみ)の天岩戸(あまのいわと)まで、12の物語で構成。それぞれの物語を、面や衣装を着けた舞手が踊り表現する。現在は1975年に結成された神楽の保存会(鮎川稔会長、会員17人)が太鼓や笛、舞を継承。2016年から女性も会員に加わっている。
親類2人と一緒に訪れた同市上辺見の塚田恵さんは「境内のサクラも見頃で、良い時に来られた」と笑顔を見せた。最近はなかなか見に来られなかったという同市下片田の80代女性は「12の舞を全部見られるのは年1回だけ。ありがたい気持ちになった。元気なうちにまた来たい」と話した。