大相撲の春巡業「つくば場所」(同実行委員会主催)が16日、茨城県つくば市竹園1丁目のつくばカピオで開かれた。つくば場所の開催は2016年4月以来9年ぶり。5月の夏場所で初の綱とりに挑む二所ノ関部屋(同県阿見町)の大関大の里関や、3月の春場所で優勝争いを演じた元大関の幕内高安関=同県土浦市出身=など県内ゆかりの力士が観客約2300人を前に、迫力のある取組を披露した。

取組で大の里関は横綱豊昇竜関に惜しくも敗れたが、大きな拍手が送られた。高安関はすくい投げで白星を飾り、大歓声を浴びた。弓取り式は同県大洗町出身で幕下の天空海が務め、四股に合わせ「よいしょー」と大きなかけ声が送られた。

大の里関は「優勝した姿で茨城に帰ってこられてうれしい」と凱旋(がいせん)に喜びを語った。8日に出身地の石川県津幡町で巡業があったばかりで、立て続けにゆかりの地で声援を受けることになり、「たくさんのファンと触れ合えている。またいい結果を見せられるように頑張りたい」と誓った。綱とりが期待される夏場所に向けては「深くは考えすぎず、やれることをしっかりやる」と話した。

高安関は家族や知人などが来場したといい、「たくさんの人に来てもらい激励の言葉をもらった。本当にうれしい」と感慨深げ。夏場所では三役復帰が確実とみられ、「ひと回り強くなり、いいパフォーマンスを出せるように務める」と意気込みを示した。

つくば市から娘と訪れた平野千尋さん(41)は手作りの「高安うちわ」を持って応援。来場所について「けがをしないよう頑張ってほしい」と期待を寄せた。

このほか、子どもたちが力士に挑む「ちびっこ相撲」、相撲の禁じ手を面白おかしく紹介する「初切(しょっきり)」、相撲甚句などが披露された。

県内の春巡業はつくば市を皮切りに、17日に鉾田市、23日に常総市で開催を予定する。