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7年半ぶり飲み歩き 水戸中心街 100店参加 18、19日 居酒屋離れに歯止め

「水戸バー・バル・バール」の7年半ぶり開催をアピールする実行委のメンバーら=水戸市五軒町
「水戸バー・バル・バール」の7年半ぶり開催をアピールする実行委のメンバーら=水戸市五軒町


水戸の人気イベントが復活-。新型コロナ禍後も尾を引く「居酒屋離れ」に歯止めをかけるため、茨城県水戸市の中心街の店をはしごして楽しめる企画「水戸バー・バル・バール」が18、19両日、約7年半ぶりに開かれる。東日本大震災後、飲食店の復興のため始まった取り組みで、今回は約100店が参加。主催者の実行委員会は「居心地の良いお店がきっとある。ぜひ探してみて」と呼びかけている。

同イベントは購入した3枚つづりのチケットで、1枚ごとに各店が趣向を凝らしたバルセット(1ドリンク、1フード)を味わえる仕組み。開催範囲はJR水戸駅南口から北口方面にある末広町までの約3キロにわたる。

震災後、飲食店の店主や常連客などが歓楽街ににぎわいを取り戻そうと、2011年秋に初めて開いた。実行委の一人で、同市栄町で酒屋を営む宮本紘太郎さん(48)は「当時は飲み歩くのを自粛する空気があった」と回想する。

人気を得て、17年11月を最後にいったん終了。活気は戻りつつあったが、20年に再び危機が訪れた。新型コロナウイルスの感染拡大で市内の店は営業休止や時短営業を余儀なくされ、売り上げは激減した。

影響は今でも残り、居酒屋などに酒を卸す宮本さんは「コロナ前の6~7割しか注文がない」と明かす。同市五軒町の老舗レストラン「マロン」の店主、大塚巌さん(51)も「売り上げはコロナ前の約6割」とため息交じりに語る。

客足が戻らない現状を踏まえ昨春、大塚さんや宮本さんをはじめ、飲食店店主や常連客が集まりイベント復活へ始動。元市職員や音楽イベントの企画・運営の専門家なども加わり、それぞれ得意分野を生かした。

準備を進める中、コロナ禍の傷跡の深さを知った。参加を呼びかけるため飲食店を一軒ずつ回ると、7年前に参加した店舗のうち半数以上が店を閉じたり、移転したりしていた。コロナ禍で飲み会文化が縮小し、「家飲み」が増えたことが一因とみられるという。

それでも約100店舗が集まった。「お気に入りの店を見つけ、疲れた心と体を癒やしてほしい。それがきっと、外で酒を飲む魅力」。大塚さんなどは力を込める。多くの関係者がイベントを通じて居酒屋文化や飲み歩きなどの良さが伝わることを望んでいる。


チケットは当日券5000円。JR水戸駅構内にある「いばらき地酒バー水戸」をはじめ、一部の飲食店や同市のふるさと納税を取り扱うサイトで購入できる。



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