次の記事:フォークリフトから転落 小1男児死亡 容疑で父親を逮捕 茨城・筑西 

筑波大がAI研究拠点 米2社、5000万ドル拠出 ワシントン大と事業推進 茨城

研究拠点として活用予定のAI教育研究棟の完成イメージ(筑波大提供)
研究拠点として活用予定のAI教育研究棟の完成イメージ(筑波大提供)
キックオフセレモニーであいさつする筑波大の永田恭介学長=東京都文京区
キックオフセレモニーであいさつする筑波大の永田恭介学長=東京都文京区


筑波大(茨城県つくば市)と米ワシントン大は23日、人工知能(AI)研究の連携事業に本格的に乗り出すと発表した。昨年4月に締結した連携協定の一環で、米大手2企業が研究資金を10年間で約5000万ドル拠出して支援するほか、AI研究の国際産学連携拠点を筑波大敷地内に開設する。同大の永田恭介学長は「日米国際連携は重要。新たなAI研究のアイデアを実際に社会実装につなげたい」と意気込んだ。

両大学は昨年4月、岸田文雄首相とバイデン大統領との日米共同声明に伴い、AI研究の連携協定を結んでいた。米大手2企業は半導体のエヌビディアとネット通販のアマゾン。両社が10年間で約5000万ドルを拠出し、研究を後押しする。

事業は、先端研究を推進する「リサーチプロジェクト」と、学生らへの支援や交流を進める「コミュニティプロジェクト」の2本柱。今年5月から順次スタートさせる。

このうちリサーチプロジェクトは、AIによる社会課題解決や基盤技術に関するテーマを設定。両学内で研究を募り、選ばれた研究プロジェクトに対し、2年間で25万~80万ドルの予算が分配される。個別のテーマは多岐にわたり、高齢化社会や気候変動などの社会課題のほか、誰でも安心して使えるAIの基盤技術開発などを想定。研究プロジェクトは理系や情報系の学部だけでなく全学から募っており、現在選考を進めている。研究への参加を通じ、高度人材の育成にもつなげる狙い。

また、同大の筑波キャンパス敷地内に国際産学連携拠点を開設する。2026年12月に完成を予定するAI教育研究棟を活用する。大学や企業間の人材交流を深め、先端研究を産学連携で進める。

事業のキックオフセレモニーが23日、東京都文京区の筑波大東京キャンパスで開かれ、両大学と両社の関係者ら約80人が出席した。永田学長があいさつした後、連携を率いる同大人工知能科学センターの桜井鉄也研究統括(教授)が事業概要を説明。桜井教授は「新たな発想を生み出すようなAIの研究をここから生み出したい」と力を込めた。



最近の記事

茨城の求人情報