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少年立ち直り 連携支援 茨城県警と鑑別所 非行や犯罪防止

協定を交わした県警の石崎宏文生活安全部長(左)と水戸少年鑑別所の関谷益実所長=県警本部
協定を交わした県警の石崎宏文生活安全部長(左)と水戸少年鑑別所の関谷益実所長=県警本部


茨城県警と水戸少年鑑別所(同県水戸市)は25日、非行問題の解決や犯罪被害に遭った少年の立ち直り支援に向けて連携協定を結んだ。刑法犯で摘発される少年が増える中、県警は今後、子どもたちの更生に精通している鑑別所からの専門的な助言を生かし、非行や犯罪の防止につなげる。

少年鑑別所は矯正施設の一つで、家庭裁判所の決定を受けた非行少年を収容し、面接や心理検査などを実施。心理学や社会学などの専門的な知見に基づき、再犯防止のための指針の策定などを行っている。

県警も非行問題の解決や犯罪被害からの回復を手助けするため、本人や家族などと継続的に面会するサポート活動に取り組んでいる。より充実した支援を図ろうと、今回、専門性の高い鑑別所に協力を求め、協定が実現した。

具体的には、問題を抱えている少年に対し、県警職員と一緒に鑑別所の心理技官が面接や心理検査などアセスメント(評価)を実施。組織の枠を超えて処遇について話し合ったり、本人に合った助言や指導につなげたりする。

県警人身安全少年課によると、2024年の県内の刑法犯少年は前年比39人増の280人で、再犯者の割合は18.6%だった。今年に入ってからの刑法犯少年は94人(3月末時点)で再犯者率は28.7%。家庭内暴力やオンラインゲーム、交流サイト(SNS)などへの依存、深夜徘徊(はいかい)といった事案に適切に対処し、非行や犯罪被害を防ぐ狙いがある。

同日、県警本部で開かれた締結式で、県警の石崎宏文生活安全部長は「少年の特性を理解した効果的な支援活動を展開できる」と、同鑑別所との連携の効果に期待を寄せた。関谷益実所長は「両者の機能を結び付けることで、少年の健全育成や非行防止活動をさらに実りあるものにしたい」と力強く語った。



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