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日立駅前「ヒタチエ」 開業2年 にぎわい創出 年間300万人 空き店舗解消、道半ば 茨城

開業2周年を迎えた日立駅前の商業施設「ヒタチエ」=日立市幸町
開業2周年を迎えた日立駅前の商業施設「ヒタチエ」=日立市幸町


JR日立駅前の旧イトーヨーカドー跡で再開した茨城県日立市幸町の大型商業施設「ヒタチエ」が28日、開業2周年を迎えた。年間の来場者は300万人超で、市は一定のにぎわい創出につながっているとみるが、施設内や隣接商店街の空き店舗へのテナント誘致で課題が残る。市の玄関口に位置する施設の再生は中心街活性化の試金石となるだけに、市や各店舗は集客や利便性向上を図る構えだ。

「病院に通うついでに寄る。まとめ買いできるので便利」

施設内で買い物した同市の川上さとみさん(90)は笑顔を見せた。ヨーカドー営業時は長く通ったといい、1人暮らしになった今も食材や日用品を調達する。子ども2人を連れて来店した20代女性は「フードコートもあり、多様な店が集まっているので、子育て世代には利用しやすい」と評価した。

同施設は駅前開発の商業拠点として、1991年に完成。30年にわたりイトーヨーカドー日立店が営業を続けた。同店が2022年1月に閉店し、危機感を持った市が空洞化を防ぐため、9億5000万円で土地建物を取得して改装。23年4月28日に新たにヒタチエが開業した。

市商工振興課によると、テナントは開業当初の23店舗から39店舗に増加。いばらきコープや無印良品のほか、書店、100円均一店、カフェといった多様な業態の店舗が営業する。

施設の1日当たりの来場者は平日で1万人近く、開業1、2年目とも年間300万人を超えたという。小川春樹市長は「ヨーカドーの閉店から、いかに早く再開するかを考えてきた。人の流れが多くなり、経済活性化につながった」と強調。出店店舗や近隣の商店会などでつくる、日立駅前地区活性化委員会の佐藤洋一郎会長は「買い物客の流れは戻りつつある。客層もやや若くなり、一定の効果は出た」と分析する。

一方、施設内は一部に空き店舗が残っている状況で、同課は「出店交渉中」と説明。隣接するパティオモール商店会では、開業後に空き店舗が2店埋まったが、残りの空き店舗解消は課題という。佐藤会長は、まず施設の魅力が増す店舗が入り、周辺商店に波及することを見据える。

市は、隣接する新都市広場でのイベント開催などで、来場者を呼び込みたい考え。核店舗のいばらきコープは客の利便性向上のため、4月に重量のある商品を自宅に配送する有償サービスを始めた。それぞれの立場でさらなる集客に力を入れ、ヒタチエと中心街の活性化につなぐ。



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