茨城県アンテナ店売上高 最高 24年度3.3億円 出張販売が奏功

茨城県は28日、東京・銀座の県アンテナ店「IBARAKIsense(イバラキセンス)」の2024年度売り上げ実績が約3億3000万円に上り、4年連続で過去最高を更新したと発表した。人気の干し芋や日本酒などの物販販売が引き続き好調だったほか、都内企業への出張販売や期間限定店舗の初出店により、新たな客層の獲得に力を入れた結果と分析している。
県プロモーションチームによると、売り上げは23年度の約3億2000万円から2%増えた。来店客数は同年度比2%減の約62万人だったものの、実際に商品を購入した人数を表す「レジ客数」は同比5%増の約16万人に上った。売り上げの内訳は物販部門が同比4.3%増で約2億5600万円。干し芋や日本酒のほか、納豆やメロンも人気だった。飲食部門は同比4.1%減の約7500万円だった。
売り上げ実績の推移はコロナ禍の影響で20年度に1億8000万円と一時、前年を割り込んだが、21年度以降は右肩上がりで最高額を更新している。
24年度は企業への出張販売に加え、初めてポップアップストアを出店するなど戦略的な取り組みを強化。日立製作所や、県内に工場があるエスティローダージャパンといった企業などで年間計11回の販売会を開き、社員に茨城県特産品を知ってもらい、売り込んだ。
さらに、1月10日の「ほしいもの日」に合わせ、東京・有楽町駅前広場で干し芋約100種類の販売会を開き、客足を集めた。
商品の品ぞろえは品評会やコンテストなどで入賞した果物や日本酒を並べるなど、茨城県特産品の質の高さもPRした。
メディア露出も高めた。テレビや雑誌で取り上げられた件数は23年度比89%増の約950件で、広告換算額では同比17%増の約12億4000万円だった。
今後の取り組みとして、6月6日の「メロンの日」に合わせ、同5~8日に渋谷駅直結の稲荷橋広場に期間限定店舗を出店する予定。メロン狩り風に売り場を仕立て、さまざまな種類のメロンやメロンパンを販売する。キッチンカーでカットメロンやメロンスイーツも提供する。
県プロモーションチームの担当者は「飲食の新たなメニュー開発や売り上げが上がる販売の仕組みづくりなどを考えていく」としている。