次の記事:フォークリフトから転落 小1男児死亡 容疑で父親を逮捕 茨城・筑西 

金属バルブ盗難相次ぐ 茨城県警・県 「プラ製に交換を」

金属製バルブが盗まれプラスチック製に交換した給水栓を示す室町弥事務局長=24日、小美玉市上玉里
金属製バルブが盗まれプラスチック製に交換した給水栓を示す室町弥事務局長=24日、小美玉市上玉里


茨城県内で用水路から水を引くための給水栓が壊され、金属製のバルブが盗まれる被害が相次いでいる。2月には小美玉市のレンコン田で100個以上盗難に遭い、今月中旬には行方市や下妻市でも発生した。いずれも農繁期前に狙われ、農家は被害に頭を悩ませる。転売目的で盗まれたとみられ、県警や県は、プラスチック製への交換など対策を呼びかけている。

小美玉市玉里土地改良区(高崎芳行理事長)では2月22日、組合員がバルブの盗難に気付いた。他の水田も調べた結果、計118個が被害に遭っていた。

同改良区によると、多くはレンコン田で大量の水を張る必要があるが、バルブがないと水量の調整ができなくなる。3月中旬ごろから本格的な農繁期が始まるため、時期的にも悪かった。被害状況から、犯行は夜間に行われ、舗装された農道に近い水田から順番に盗まれたという。

大本の給水栓も多くが破壊され、修理費を含めた被害額は約60万円以上。防犯カメラを設置していた水田でも被害に遭い、室町弥(わたる)事務局長は「いくら対策しても盗まれてしまう」と肩を落とした。

県警捜査3課によると、県内では今年、稲作が盛んな地域を中心として、田植え前の時期に給水用の蛇口やバルブが相次いで盗まれた。盗難被害は4月20日の時点で625個に上った。

県農村計画課によると、農業用の給水バルブ盗難は毎年相次ぎ、2023年度から被害が急増。同年度の被害は計1821個で約929万円相当だった。24年度も、年間で計1250個盗まれた。

被害が相次ぐ背景について捜査3課は、近年の金属価格高騰の影響を指摘。同課は何者かが転売目的で盗んだとみて捜査している。

県警や県は被害の防止を図ろうと、農家らに向け比較的安価なプラスチック製のバルブへの交換や、農閑期のバルブの自宅保管などを呼びかけている。



最近の記事

茨城の求人情報