茨城県教職員の時間外減 業務見直し効果 24年度

2024年度の茨城県内公立学校教職員の時間外在校等時間について、県教育委員会は30日、月平均で23年度と比べ全校種で減少したと発表した。特に時間外在校等時間が多い中学校で約2時間半減っており、部活動改革や情報通信技術(ICT)活用による業務見直しの効果と分析している。県教委教育改革課によると、1年間の月平均を公表するのは初めて。柳橋常喜教育長の定例記者会見で明らかにした。
県教委が県内全ての公立学校約800校を対象に調査し、24年度の実績を月ごとに集計した。小中高、特別支援校の全校種で月平均上限の45時間を下回り、減少傾向にある。小学校は23年度比51分減の30時間34分、中学校が同2時間28分減の38時間5分、高校が同1時間45分減の22時間15分、特別支援校が同1時間減の12時間18分となった。
減少につなげた取り組みとして、同課は部活動改革に加え、小中学校で保護者会をオンライン化したり、配布物をメール配信にしたりするICT活用などを挙げた。高校は各種報告書のペーパーレス化や会議回数・時間の見直し、特別支援校では完全退勤日を設けるなどの事例を挙げた。部活動改革に関しては、地域移行に取り組む自治体の方がそうでない自治体より削減傾向にあると指摘している。
働き方改革について、現場の教職員からは「早く帰れる日は帰ろうと声をかけ合うなど職員室の雰囲気が変わってきている」「部活動改革により休息ができ、余裕が持てるようになった」などの声が寄せられているという。
働き方改革の施策について、県教委は①心身の健康の保持増進②適切かつ効率的な校務の実施③学校・教師が担う業務の明確化・適正化-の3点に注力して年間スケジュールを立てている。本年度は6~7月に教職員対象の学校業務改善研修会を開くほか、外部人材の活用や好事例の共有、実践を広げていく予定だ。
時間外在校などの減少傾向について、柳橋教育長は「教職員一人一人が前向きに取り組んでいる成果」と評価する一方、依然として時間外在校等時間が多い教職員もいることから、「状況や原因を分析して働き方改革をさらに推進したい」と述べた。