《いばらき戦後80年》平和願い 折り鶴1万羽 水戸女子高生が活動 県民からも募集 戦争関連施設へ

茨城県水戸市上水戸の私立水戸女子高で、戦争に関連する施設や大使館に千羽鶴を贈るプロジェクトが展開されている。数年前、生徒数人の発案で始まった小さな輪が全校規模にまで拡大。2025年度は校内を飛び出し、広く県民からも折り鶴の募集を始めた。目指すは1万羽。今年は戦後80年の節目で、生徒たちは「平和を考えるきっかけに」と協力を呼びかけている。
活動名は「未来平和プロジェクト~おりづるに願いを込めて」。4年ほど前、修学旅行で鹿児島県南九州市の「知覧特攻平和会館」を訪れた際、講話に感銘を受けた生徒が「私たちも平和を祈って何かしたい」と千羽鶴作りを始めたのがきっかけだ。
修学旅行に参加する2年生を中心に、同館に千羽鶴を贈る取り組みが毎年続き、全校生徒や教員たちを巻き込む一大プロジェクトへと発展した。
昨年度の修学旅行で千羽鶴を同館に届けた3年の工藤暖華さん(17)は、朝早く登校したり、休み時間や放課後を活用したりして数カ月で完成させたといい、「みんなで力を合わせて作り上げた時は本当に感動した」と話す。
折り紙一枚一枚に「平和」の文字を刻み、祈りを込めた千羽鶴。同学年の畠山美音さん(17)は現地に飾られた平和のシンボルを目にして、「大きなことをやり遂げた達成感を味わった。平和の思いを改めて実感した」と語る。
本年度は「たくさんの人たちと思いを共有したい」との生徒たちの発案で、広く県民から折り鶴を募ることにした。完成した千羽鶴は同館だけでなく、ウクライナやロシアなど戦争で苦しむ国の大使館などにも贈る計画という。
工藤さんと畠山さんは「折り鶴に込められた平和の願いが、広く伝わってほしい」と願う。
募集は来年2月末まで。折り鶴に使う折り紙のサイズは7.5センチ角か15センチ角。色の指定はない(黒やラメなど特殊な色、和紙は不可)。制作の都合上、首は折らず、羽も広げないで同高に送る。5月3日には水戸市の中心街で開かれる「水戸まちなかフェスティバル」で、来場者と折り鶴作りに励む。
生徒たちの折り鶴と合わせ、目指すは1万羽。同プロジェクト担当の片岡美穂教諭(34)は「数人で始まった取り組みが大きく花開いた。折り鶴を通して、平和への思いを一つに」と力を込めた。
郵送は〒310-0041 水戸市上水戸1の2の1 水戸女子高入試広報部未来平和プロジェクト宛。送料は郵送者負担。または同高に直接持ち込む。問い合わせは同高(電)029(224)4124。