早まるランドセル商戦 茨城県内、色展開や機能性充実

小学校に来年度入学する子ども向けのランドセル商戦が、早くも本格化し始めた。色の展開や背負いやすさなど機能性が充実し、ランドセルの選択肢の幅は着実に拡大。茨城県内の販売店ではゴールデンウイーク(GW)前、親子連れなどが手に取って商品を選ぶ姿が見られた。購入時期は年々早まり、5月が最も多いという調査結果もあるという。
「こっちの方がいいかな。迷っちゃう」。GW前の先月25日、水戸市笠原町の「バンビ鞄工房」水戸店。来店予約をしていた親子1組が店長から説明を聞き、触り心地や背負いやすさを確かめていた。
同工房は今年、クッション材を増量し肌当たりを柔らかくした。性別の印象にとらわれない「ジェンダーカラー」も2倍に増やし、色の選択肢を拡大した。
この日訪れた水戸市の吉村孝司さん(55)、美紀さん(45)夫妻は「子どもの意見を優先したい」とし、長男の典紗(つかさ)ちゃん(5)は「好きな金色のステッチがあってうれしい。かっこいい1年生になりたい」と声を弾ませた。
水戸市内原の「イオンスタイル水戸内原」では、予約販売会「ランドセルフェスティバル」を先月25日にスタート。11日まで開催している。
約300種と豊富な選択肢を用意。イオンのブランド「かるすぽ」では、低反発スポンジを搭載し、背負いやすさにこだわった商品が新たに加わった。本体やパーツなど自由に組み合わせできる「はなまるランドセル24 MYカラー」は、組み合わせが昨年比1.8倍の約497万通りに増えたという。
同店の高木純一衣料課長(41)は「GWやお盆に3世代で来店するお客さまが多い。6年間使うので、まずは背負って、特徴や機能を知ってほしい」と語った。
近年、ランドセル購入の早期化が進む。バンビ鞄工房水戸店の沼田大二郎店長(30)は「(今年は)動き出しが早い」と話す。
日本鞄協会ランドセル工業会が今春の新入生向けに購入された時期を調査した結果、最多は昨年5月で20.3%に上った。18年の調査では8月の19.2%がピークで、5月はわずか7.9%だった。
同工業会の林州代会長(69)は「人気のある商品は、早く予約しないとなくなるといった口コミが広がり早期化しているのでは」と説明した。