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五輪目標、重量挙げ父子 茨城・高萩清松高1年・吉岡さん 中学で開花、全国記録更新

父の吉岡史生さん(右)が見守る中で練習に取り組む祥輝さん=高萩市高浜町
父の吉岡史生さん(右)が見守る中で練習に取り組む祥輝さん=高萩市高浜町


五輪出場に向け、重量挙げに打ち込む親子鷹が茨城県の県北地域にいる。全国高校総体で優勝経験がある吉岡史生(ふみお)さん(46)、次男で県立高萩清松高1年の祥輝(しょうき)さん(15)=いずれも日立市。父が自宅に練習場を整備したり、自身が代表を務めるクラブで指導したりするなど、二人三脚で技術を磨いてきた。四つの全国中学記録を保有する有望株に成長した祥輝さんは「父を超え、五輪で金メダルを取り喜ばせたい」と闘志をみなぎらせる。

■憧れ

「重心が後ろ過ぎる。改善すれば(持ち上げる動作が)もっとスムーズになる」「今の感じ、いいね」

高萩市高浜町の高浜スポーツ広場で練習に励んでいた2人。父が撮影した動画をその場でのぞき込み、的確な助言でバーベルを持ち上げる姿勢などの修正を図った。

祥輝さんは今春に高校へ進学し、ウエイトリフティング(重量挙げ)部に所属。週5回の部活の後は、「憧れの父」がクラブを指導している同施設に向かう。

父は土浦日大高で競技を始め、高校総体優勝。その後も大学、社会人時代に全国大会で表彰台に上がるなど好成績を収めた実力者だ。現在は高萩市職員として働く傍ら、後進の育成に力を入れている。

■結実

祥輝さんは父の影響を受け、小学3年の時に競技を始めた。「動きが鈍く、スポーツに向いているのか半信半疑だった」(父)というが、同広場のほか、コロナ禍には父が自宅倉庫を活用して整備した練習場で特訓を重ね、着実に成長した。

努力が花開いたのは中学3年時。2024年度全国中学選手権73キロ級で、バーベルを一気に頭上まで持ち上げる「スナッチ」の1位に輝き、全国中学記録を更新した。同年度の全日本ジュニア選手権では81キロに階級を上げ、スナッチと、肩位置まで持ち上げた後に頭上まで上げる「クリーン&ジャーク」、総合の計3部門で中学記録を塗り替えた。

「自分が練習した分だけ記録が付いてくる」と競技の魅力を語る祥輝さんに対し、父は「本人の努力が大きい」と認める。試技前には父が祥輝さんに気合を入れ、送り出すのが常で、親子ぴったりの呼吸が勝利を呼んでいる。

■絞る

高校進学の際、祥輝さんは並行していた野球をやめ、重量挙げ一本に絞った。「父の背中を追いかけたかった」と、決断に迷いはなかった。

高校での目標は全国高校総体や世界ユース大会などの制覇、父の個人記録のスナッチ150キロ、ジャーク175キロの更新。その先に五輪出場を見据え、まずは「父を超えたい」という。史生さんも「高校生で(自分の記録を)超えてもらわなければ困る」ときっぱり。続けて「五輪で活躍し、技術と人間性ともに憧れられる選手になってほしい」と期待をかける。

自宅でも、会話はウエイトリフティングが中心という2人。競技を通して強い絆で結ばれた親子は、夢の舞台へ向け突き進む。



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