かれんな青紫色 ハマエンドウ見頃 常総水害免れ10年 茨城


茨城県常総市若宮戸の鬼怒砂丘慰霊塔近くで、ハマエンドウが青紫色のかれんな花を咲かせている。2015年に発生した関東・東北豪雨(常総水害)による水没被害から守ろうと、同市の元教員、広瀬征夫さん(81)が現在の場所に移植し、花が絶えないよう見守ってきた。見頃は10日ごろまで。
ハマエンドウは海岸などの砂地に生える多年草。エンドウによく似た花や豆果を付ける。同所のハマエンドウは元は鬼怒川沿いの河畔砂丘「十一面山」の南側に自生していたもの。約20年前に付近で進められた水管橋工事の影響を懸念した住民有志が、砂丘の北側に移植した。だが、常総水害での水没を受けて、広瀬さんが残った根を移動させ植え直したという。
広瀬さんは「花が少しずつ増えてきたところだ。貴重な存在なので大事にしたい」と話した。現在の移植場所を提供した常総ガスの稲葉博社長(72)は「協力して残していきたい」と語った。