茨城空港 24年度旅客 最多78万人 コロナ禍前上回る

茨城県は7日、茨城空港(同県小美玉市)の2024年度旅客数が前年度比3.7%増の77万6063人で、過去最多になったと発表した。中国・上海便が昨年12月に復活するなど国際線が同比37%増えたのが要因だ。国内線も需要回復が続いたことで、これまで最も多かったコロナ禍前の19年度を上回った。
県空港対策課によると、旅客数は国土交通省東京航空局が公表した速報値。19年度の77万6002人を61人上回った。24年度の国内線は前年度比1.4%増の70万9928人で、2年連続で最多を更新。国際線は同比37%増の6万6135人だった。
国際線は、昨年12月に中国の格安航空会社(LCC)の春秋航空の上海定期便が復活したことや、同12~3月に韓国のLCCのエアロKが同国・清州(チョンジュ)を結ぶ連続チャーター便を運航したことが旅客増につながった。
昨年12~3月の単月の旅客数は6000~8000人台で推移。前年の同期間はいずれも2000人台にとどまっており、3~4倍増えた。
このうち清州便は搭乗率が高く好評だったことから、同社が4月19日~5月13日まで再び連続チャーター便を運航。15日からは定期便としての運航が決まっている。
国内線はスカイマークの定期4路線(札幌、神戸、福岡、那覇)が引き続き堅調に推移。同課は近隣の栃木、群馬両県や就航先のイベントなどに出展し、茨城空港の認知度向上やPR活動を進めてきた効果が浸透したとしている。
県は今後も国内外の就航先などで、利用促進に向けたプロモーションを継続するとともに、旅行会社を対象としたファムツアー(視察旅行)も進め、インバウンド(訪日客)のさらなる誘客を図る方針だ。
同課は、特に国際線が依然、コロナ禍前の水準に戻っていないとして、「ゴルフ需要の高まる韓国やリピーターが多い台湾をはじめ、新たな定期便やチャーター便誘致を目指し、さらなる利用促進に向けて取り組む」としている。