はしか感染、新たに3人 茨城県内計19人 目立つ県南地域

茨城県は8日、県内在住の3人がはしかに感染したと発表した。竜ケ崎保健所管内の医療機関から報告があった。すでに感染報告のあった患者の同居家族で、いずれも家庭内感染とみられる。茨城県の今年の発症者は県南地域での報告を中心に計19人となり、2019年の17人を超えて過去10年で最多となった。
県感染症対策室によると、新たに感染した3人は県衛生研究所で6日に遺伝子検査した結果、陽性が確定した。現在、いずれも自宅療養している。
県内では3月、古河保健所からパキスタンに渡航歴のある10歳未満の男児の感染が報告され、4月以降は県南地域を中心に感染の報告が相次いでいる。保健所別では6日現在、竜ケ崎が最多の12人で、つくばが3人、中央が2人と続く。
はしかは10~12日間の潜伏期間を経て発症。発熱やせき、鼻水が続いた後、発疹が高熱とともに出る。日本は世界保健機関(WHO)から国内土着のウイルスによる感染がない「排除状態」と認定されており、感染は原則、海外からの持ち込み例に限られる。
今年の県内の感染者19人のうち、海外渡航歴があったのは10歳未満の男児と、つくば保健所管内で報告があった1人の計2人。ほかの17人は、国内に持ち込まれたウイルスが何らかの形で感染したとみられる。
はしかは手洗いやマスク着用では防ぎきれず、ワクチン接種が最も有効な予防法とされる。接種1回で95%、2回で99%の人に免疫ができる。一方、ワクチンは供給に偏在が生じており、一部の医療機関では不足が出ているという。
こうした状況を踏まえ、県は「特に海外渡航の予定がある人は、早めの接種の検討をお願いしたい」と呼びかけた。