被災ミャンマー支援 土浦の救命士・森田さん「復興願う」 現地で復旧活動 茨城

ミャンマーで3月28日に発生した大地震で、国際緊急援助隊(JDR)の医療チームの一員として中部・マンダレーで活動した茨城県土浦市消防本部の救急救命士、森田大地さん(31)が9日、同本部で会見した。同本部によると、県内から派遣された消防職員は森田さん1人。「ミャンマーに復興と平和が訪れるように」と活動にかけた思いを語った。
JDRは国の要請を受けて国際協力機構(JICA)から派遣される。2022年から隊員登録する森田さんは医療チームの第2次隊に加わり、4月12日に羽田空港から出国。ヤンゴン国際空港を経由し、14日にマンダレーに入った。
隊員は医師や看護師、薬剤師など37人。市庁舎の駐車場に設営したテントで、負傷者や体調不良の住民を診察した。森田さんは医療調整員として患者のカルテや資機材の管理、隊員間の感染症対策、医療機関との連携に奔走した。診察数は同15~23日の9日間で約900件に上った。
森田さんによると、資機材には診察に欠かせない浄水器や発電機などが含まれる。浄水は塩素濃度や大腸菌の有無など、1日3回は検査。発電機の燃料交換は診療を一時停止する必要があり、医師などと一体となった運営が求められた。
外は経験したことがない厳しい日差しで、40度超えの気温でも長袖で耐えた。隊員間で「水飲んだ?」などと声をかけ合い、体調管理に気をかけた。マラリアを媒介する蚊や大腸菌が含まれる上水道など、生活環境にも注意を払った。
通訳者に現地語のあいさつや自己紹介を習い、受け付けで「私は森田大地です。今日はどうされましたか」と尋ねると、聞き慣れた言葉に笑顔を見せる住民もいた。帰り際、感謝を口にする住民らの姿には「ほっとした」。
羽田空港に到着し、「一息つけた」と肩の荷が下りたと感じた。「不安よりも、ミャンマーのために何ができるか考える時間の方が長かった。復興と平和が訪れるように」。派遣が終わっても森田さんは被災地を思いやった。