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森林活用へバンク制度 所有者と利用者仲介 茨城・つくば市

つくば市の森林バンク制度に登録された森林=同市妻木
つくば市の森林バンク制度に登録された森林=同市妻木


茨城県つくば市は本年度、森林の貸し出しを希望する所有者と活用したい人を結び付ける「森林バンク制度」を開始した。荒れた山林を利用者に活用してもらい、森林の適切な維持・管理につなげるのが狙い。市は全国的にも珍しい取り組みという。

市鳥獣対策・森林保全室によると、同市の森林率は約15%。近年は所有者の高齢化で森林の適切な維持・管理が難しくなり、隣家への枝の越境、ごみの不法投棄など問題が発生している。

現状を踏まえ、市は4月1日、森林所有者とレクリエーションなどで利用したい人をマッチングする森林バンク制度を始めた。貸し出し希望の所有者は17人(5月9日時点)で、61筆計6万9433平方メートル。同バンクに登録された森林情報は現地を確認した上で順次ホームページに掲載する。

活用したい個人や団体・企業は市に申込書を提出し、台帳に情報を登録した上で、希望の物件があれば市に連絡する。市は両者を仲介し、所有者と利用者が合意すれば、契約を経て利用が始まる。

現在までに市内の2人が利用登録。活用方法は間伐体験やハチの巣箱を用いた蜂蜜作りなどが想定される。薪ストーブ用のまきを確保できないか、などの相談も寄せられているという。

このほか、下草刈りなどを有償で手伝う協力者の組織「森林バンクサポーター」も立ち上げ、人材を募る。

市は本年度の事業費として2200万円を計上、財源に国の森林環境譲与税を充てる。初期整備にかかった費用以外にも、草刈り機やチェーンソーの購入、同サポーターへの委託料など、森林の維持・管理にかかる経費の半分を補助(年間上限20万円)する予定だ。

9日の定例会見で、五十嵐立青市長は「管理できず、荒れ放題の森林がある。制度を通じて持続可能な森林の維持・管理を促し、交流や活動ができる場として機能させたい」と話した。



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