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新小型原子炉を商用化 日立GE、カナダへ1基 茨城

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日立GEニュークリア・エナジー(茨城県日立市幸町、久持康平社長)が開発を進める新型原子炉「BWRX-300」の初の商用化が決まった。出力30万キロワット以下の小型モジュール炉(SMR)で、カナダの原子力発電所建設計画に向け、主要機器を提供する。14日までに建設開始が決まった。

同社は、カナダ・オンタリオ州営電力会社が進めるSMR4基の原発建設計画のうち、最初の1基を受注した。北米初のSMRで、8日に同州から建設許可を得た。欧米諸国はエネルギー安全保障強化や脱炭素化に向け、必要面積が比較的小さい原子炉の可能性を模索していて、実証モデルの確立に注目が集まる。

SMRは従来の原子炉より複雑さと費用を減らしつつ、出力は一般家庭30万世帯相当の30万キロワット以下。「BWRX-300」は日立GEが設計に参画しており、納める機器についても日本国内のサプライチェーン(供給網)から調達する。炉内構造物や改良型制御棒駆動機構、制御棒駆動水圧ユニットを提供する。

計画の残り3基について、同社は最初の1基で得た知見や実績を生かし、現地の供給網活用を視野に入れながら受注を目指す。

同社国際技術本部の森脇正直本部長は「先進的なSMRを実現することを楽しみにしている」とコメントした。

同社は日立製作所の原子力事業を引き継ぎ、米ゼネラル・エレクトリック(現GEベルノバ)の共同出資により2007年7月に設立された。



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