華やか 浮世絵ずらり 江戸の風俗250点 北茨城・五浦美術館

隅田川流域の豊かな文化を描いた浮世絵を集めた展覧会「浮世絵展 隅田川でたどる江戸の暮らしと文化」が、茨城県北茨城市大津町の県天心記念五浦美術館で開かれている。四季折々の風景や日常の様子など、江戸の風俗を描いた約250点が展示されている。
展示作品は、北茨城市出身の浮世絵コレクター、塚原涼一さんのプライベートコレクション。江戸時代後半から明治時代にかけて、浮世絵技術の成熟期に制作された作品を紹介している。
江戸時代に交通の要として栄えた隅田川は、多くの人が集まる流行の中心でもあった。隅田川流域を題材にした浮世絵には、花見を楽しんだり、華やかな着物に身を包んだりと生き生きと暮らす人々が描かれ、当時の豊かな文化に触れることができる。
名所絵で知られる歌川広重をはじめ、歌川国芳、歌川国貞など人気絵師の作品がそろう。活気あふれる町人文化の中で絶えず移り変わる風俗を捉えながら、画題や表現などに趣向を凝らした作品が楽しめる。
このほか、女性を描いた「美人画」、人気の歌舞伎役者を題材にした「役者絵」など多彩な浮世絵を展示。着物の文様や髪の毛など細かな描写から、当時の技術の高さがうかがえる。
同館学芸員の塩田釈雄さんは「当時の人々がどのような暮らしをしていたのかを想像して、親しみを感じてもらえたらうれしい」と来場を呼びかけている。
会期は6月8日まで。月曜休館。