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開通8割 完成視野 茨城県北6市町・常陸国トレイル 来場者倍増、10万人

常陸国ロングトレイルのコース整備状況(2024年度末)
常陸国ロングトレイルのコース整備状況(2024年度末)
常陸国ロングトレイルの開通距離と来場者数の推移
常陸国ロングトレイルの開通距離と来場者数の推移


茨城県北6市町の里山や観光名所を結ぶ「常陸国ロングトレイル」の2024年度の来場者数は、前年度から倍増して10万人を超える見通しとなった。全長320キロに及ぶコースは3月末で8割の整備を終え、全線開通も視野に入る。さらなる利用促進へ、県は愛好家や旅行会社などへのPRを強化していく。

常陸国ロングトレイルは登山道や里山のあぜ道などを歩き、地域の自然や歴史など日本の原風景に触れることができるのが特徴。計画する全コースが完成すれば、日立、常陸太田、高萩、北茨城、常陸大宮、大子の県北6市町を巡る全長320キロに及ぶ。

コース整備は20年度から段階的に始まり、24年度は常陸太田の22キロと常陸大宮の34キロ区間の計56キロが新たに開通。全体の86%に当たる計275キロが1本のルートでつながり、全線開通までは、大子町内の約45キロを残すだけとなった。

開通区間の進展に伴い、来場者数も右肩上がりの状況だ。県県北振興局によると、24年度は今年2月末時点で9万7000人に上り、「10万人突破は確実」(同局担当者)な状況。23年度の4万5249人と比べると、2倍を超える勢いで増えている。

コース上には花園神社(北茨城市)や世界かんがい施設遺産の十石堀(同)、高戸小浜海岸(高萩市)、道の駅かわプラザ(常陸大宮市)などの観光名所が点在。新たに開通した常陸大宮市の区間では、県版レッドリストの「準絶滅危惧種」に指定されているイワウチワの群生地が含まれるなど、見どころも充実した。

県はさらなる誘客促進を目指し、5~6月にも旅行会社や情報発信力の高いアウトドア愛好家などを招いたモニターツアーを開催して、首都圏向けのPRを強める。世界的に人気の「ヨルダントレイル」を管理運営する協会とのパートナー協定を生かし、相互プロモーションも展開している。

コース整備は愛好家らで構成するボランティア団体が中心となって進めており、県は残る未開通区間についても団体と連携して早期開通を目指す。同局は「既存コースへのリピーターも増えている。歴史や文化、食など各コースの多彩な魅力を広めていきたい」としている。



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