潮来に循環器医療機関 26日から診療開始 「心臓リハビリ」対応も 茨城

茨城県潮来市内に鹿行地域待望の循環器専門医療機関が開院する。2004年に閉校した同市島須の八代小学校跡地に医療法人・玉心会(同県神栖市平泉)が整備していた潮来ハートクリニック(阿久津靖院長)が26日から診療を開始する。潮来市民は、県内の隣接市や千葉県にある医療機関を受診するのが現状で、市民の身近にある街の診療所を市内に誘致することは長年の悲願だった。
同校グラウンド跡(敷地約4349平方メートル)に鉄筋コンクリート平屋建てを新築。建物は、診療スペース約700平方メートルと薬局スペースを備える。心臓を撮影するCT(コンピューター断層撮影)やMRI、超音波(エコー)など最新の検査機器を配置し、血液検査など各種検査結果は、基本的に当日説明が行われる。
外来のみで、入院治療や手術が必要となった場合は、鹿嶋ハートクリニック(神栖市平泉)で受け入れも可能。病気の進行を防ぎ、再発や再入院を減らすプログラム「心臓リハビリテーション」にも対応する。
潮来市によると、循環器に特化したクリニックの開設は初めて。今回の整備に当たり、同市は、土地建物取得費、高度医療機器取得費として、それぞれ3000万円を助成。このほか、開業資金として3000万円を貸与した(10年間、市内で診療業務を行った場合は返済免除)。昨年4月にスタートした「特定医療機関誘致助成金制度」によるもので、今後も市内に小児科、産婦人科、循環器科を診療所として新たに開設する医療機関などに対し、審査を行った上で、最大9000万円を助成する方針だ。
玉心会の大城恬瑩理事長は「最先端の医療機器で、外来患者に迅速かつ正確な診断と適切な治療を実行して鹿行地域住民の医療安全を守り、医療資源過疎の緩和に努めていきたい」と力を込める。