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動物愛護にふるさと納税 GCF活用、財政軽減 茨城県内自治体、事業費調達

動物愛護団体が開いた保護犬猫の譲渡会=10日、行方市玉造甲
動物愛護団体が開いた保護犬猫の譲渡会=10日、行方市玉造甲


動物愛護に関する事業費をふるさと納税で調達する自治体が目立ち始めた。「ガバメントクラウドファンディング」(GCF)と呼ばれる手法で、茨城県内では県のほか、行方市や鹿嶋市、下妻市などが活用。目標額を超えて寄付金が集まるケースもあり、自治体の財政負担軽減に一役買っている。

ふるさと納税を使ったGCFは、自治体が具体的な地域プロジェクトを立ち上げ、全国から寄付金を募る仕組み。寄付者は使い道が容易に把握でき、税制優遇も受けられる。

行方市は4月、「動物愛護プロジェクト」と題して寄付金募集を始めた。野良猫を捕獲して不妊・去勢手術後に地域へ戻す活動を支援することなどが狙いだ。

プロジェクトは2回目で、前回は70日間で目標額100万円に対し168万円余りを集めた。今回は募集期間を本年度の1年間に延ばし、100万円を調達したい考えだ。

プロジェクトでは動物愛護団体が開く犬猫譲渡会も支援。市内で5月10日に開かれた譲渡会で犬2頭と猫1匹が引き取られることになった。

県は2017年度から、犬猫殺処分ゼロを維持する取り組みに対し寄付金を募っている。県生活衛生課によると、23年度までの7年間で約6700万円が寄せられた。不妊・去勢手術費の補助のほか、県動物指導センター(同県笠間市)に収容する犬猫が多い地域に対し指導員を配置する活動などに役立てている。

自治体がこうした取り組みを進める狙いの一つは財政負担の軽減だ。

鹿嶋市は過去7回の募集で計約1000万円を調達した。市財政課によると、寄付金が集まりやすい事業を考えた結果、犬猫の避妊・去勢手術の補助事業費をふるさと納税で募ることに行き着いたという。担当者は「2年前から返礼品を付けているが、なくても(寄付金が)集まりやすいプロジェクト」と指摘する。

下妻市は地域住民が世話する「地域猫」の事業推進に当たり、県の補助だけでは不妊・去勢手術費が不足するケースもあるため、24年度に新たなプロジェクトを立ち上げ、寄付金を募った。地域猫活動は各地で定着しつつあるものの、市環境課は「(不足分を)市予算で100%持ち出すのは難しい」とし、本年度も募集を継続する方針だ。



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