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農相更迭 茨城県民、怒りや落胆 後任に価格安定要望も

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コメの価格が高止まりし備蓄米の流通が進まない中、「コメは買ったことがない」などと発言した江藤拓農相が21日、辞表を提出し受理された。石破茂首相は後任として、自民党の小泉進次郎前選対委員長を起用した。茨城県民からは発言に対して怒りや落胆の声とともに、「価格の安定を」「生産現場の声をくみ取って」など小泉氏への要望が上がった。

食品の寄付を受け、必要としている施設や団体に無償提供するNPO法人フードバンク茨城(本部・同県牛久市)の大野覚理事長は「経済困窮者の立場や心情を踏まえ、発言してほしかった」と語った。

同NPOへのコメの寄付は2023年度に36トンあったが、24年度は備蓄米を含め23トンに減少。25年度はさらに落ち込み、母子家庭などへの提供量を減らさざるを得ない状況という。

一般の消費者も、厳しく批判する。同県石岡市の男性(73)は「国会議員は高い給料をもらっているから、1円でも安いスーパーを探す国民の苦しみが分からない」と憤った。

飲食店からは世間の感覚からの乖離(かいり)を指摘する声も上がる。ダイニングバー「梵珠庵(ボンジュアン)」(同県水戸市見和)の小沼泰彦代表(60)は、コメの仕入れ価格が1年前と比べて2倍以上に跳ね上がっているとし、江藤農相の発言に対し「現場の状況を何も知らない」と語気を強めた。

後任の小泉氏へは、さまざまな要望が聞かれた。2児を育てる水戸市、主婦、井沢朋美さん(33)は「消費者も手に届きやすいコメ価格で、農家の方にも利益が行き渡る、両者が満足できるような政策を打ち出して」と求めた。

同県坂東市でコシヒカリを生産する小林敏郎さん(58)は「価格が60キロで1万円を割った年もあった。今後、また下がってしまわないか」と懸念し、「(小泉氏には)価格安定を望む」と話した。

JA県中央会の八木岡努会長は「江藤農相は現場をよく知っていた方だけに、辞任は非常に残念」とした上で、「次期農相には生産現場の声をよくくみ取っていただき、持続可能な農業の実現に向けて活躍されることを期待したい」とコメントした。



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