徳川家が縁 連携協定結ぶ 茨城・水戸市と東京・文京区


茨城県水戸市は22日、水戸徳川家初代当主・徳川頼房が築造した小石川後楽園など水戸藩ゆかりの史跡が数多く残る東京都文京区と、連携交流都市協定を結んだ。今後、双方で開かれている梅まつりをはじめ、教育や観光、産業などさまざまな分野について行政と企業、住民の交流を深める。
同市と同区のつながりは江戸初期までさかのぼる。市などによると、同区にある国の特別名勝・小石川後楽園は1629年、頼房が江戸上屋敷内に築造した庭園で、2代藩主・光圀が整備、命名した。区内にはこのほか、9代藩主・斉昭が建立し、中屋敷があった地名の由来を記した「向岡記碑」などもある。
偕楽園(同市常磐町)の好文亭で開かれた協定締結式には、高橋靖市長と成沢広修区長、両議会の議長のほか、水戸徳川家15代当主の徳川斉正さんが出席した。協定の連携項目は教育や文化、スポーツ、観光、災害時の対応など多岐にわたる。市などによると、双方で開催する梅まつりでの協力や子ども同士の交流などを検討している。
高橋市長は「協定を機にいろいろな可能性が広がっていく。お互いの区・市が発展できるように協力していきたい」と強調。成沢区長は「土地の歴史を現代に生かすことで、今の市民・区民の幸福につなげたい」と話した。
式典を見届けた斉正さんは、頼房が本格的に水戸の城下町の整備を始めた時期と、後楽園の整備時期を引き合いに、「徳川の歴史からすればほぼ同い年。手に手を取って共に発展し、交流してほしい」と強調。「温かく見守るとともに16代に引き継がせたい」と話した。